人々の行動を変える必要がある場合、どうすればよいだろう。Bob Marshall氏(組織セラピーの専門家)が、システムを見て、環境を変えることで人々の行動を変える方法について書いている。
Business Technologyの変更のパラドクスという記事で、氏は人の行動を変えるときに見られる問題について書いている。
人の行動を変えようとしても問題は悪化するだけです。(…)怖がらせたり、辱めたり、強制したりして人の行動を変えようとしても、相手は怒ってさらに“悪い”振る舞いをするようになるだけでしょう。
氏はルイスの式“B=f(P,E)”に言及する。この式は、振る舞いはその人の環境の関数であることを示している。この式を使うことで氏は環境と、氏が“システム”と呼ぶものへ注意を払う必要があると主張する。
環境を変え、振る舞いを変えることは“自由”にしておきます。
(…) 最も効果があるのは“システム”を使うことです。 システムとは仕事の動き方です。John Seddon氏らが見せてくれたように、仕事の動き方を変えれば、人々の振る舞いも変わります。
組織が人々の働き方に影響を与えようとしないと思う理由を説明し、環境を変えることで変化を促すことを薦めている。
マネージャや経営幹部は振る舞いやパフォーマンスについての憶測が詰まっているパンドラの箱を開けようとしません。調和とコンセンサスの維持が大事だからです。
組織内で様々な議論し難い事案について話し始める場合はどうでしょうか。このような新しいことに対する不安についてはどうでしょう。もちろん、このようなことは決して愉快な経験にはなりません。しかし、組織が成長して、より働きやすく、より効率的なビジネスをするようになるには必要なことです。
Jurgen Appelo氏は小さな問題を最初に修正することを説いた割れ窓理論に言及して人が他人の振る舞いにどのように影響を受けるか論じている。
人々は自分の生活している環境に自身の振る舞いを順応させる傾向があります。(…) 人々が他人の規範や振る舞いを真似るとすれば、(…)悪い振る舞いはより悪い振る舞いを引き寄せます。(…)このような考えを合わせれば自動的に割れ窓理論に行き着くことは簡単にわかるでしょう。
小さな問題を解決して環境を変えることが、人の振る舞いを変えるのに役に立つというのが氏の結論だ。
これから解ることは何でしょうか。私の考えでは次のふたつです。
- 大きな問題は小さな問題から生まれる。まだ管理可能だったときに摘み取らなかった問題が大きくなる
- 問題が大きくなりすぎて管理できない場合は、関連する小さな問題から対処する
まず、小さな問題から対処すること。そうすれば大きな問題への対処も楽になるということです。
Peter Bergman氏は人々の振る舞いを変える簡単な方法について書いている。
受付係が暖かくなく、親しみやすくないと顧客が私に不満を言いました。では受付係はどこに座っているでしょう。銀行の銀行出納係を思い浮かべてください。そう、受付係はガラス窓の後ろに座っていたのです。彼女をコミ二ケーションのトレーニングに行かせる必要はありません。ガラス窓を取っ払えばいいのです。
ある顧客が従業員にタイムシートを入力して欲しいと考えていました。入力してもらうようにするのがとても苦労していたのです。顧客の考えにあったのはコンプライアンスでした。(…) 解ったのは従業員はタイムシートを入力するということ自体を苦にしているのではなく、その入力手段に不満があったのです。(…) 入力フォームと利用していた技術を変えると、皆入力してくれるようになりました。