年末の楽しみ,2013年の出来事を予想する季節になった。その中のひとつ,Eric Rothの予想は特にSOAに関連するものだ。
SOAの用途はソーシャル,モバイル,クラウドのサポートに移行しつつあります。ここでのSOAは,アプリケーションプログラムインターフェース - APIと呼ばれる,タスク固有のサービスをサポートするために使用されています。これらのAPIは,モバイルデバイスやクラウドコンピューティングソリューションにおいて利用されるものです。例としては,Webページのツィートボタンなどが分かりやすいでしょう。このように,システムとコミュニケートする方法を定めるものがAPIなのです。インテグレーションやセキュリティ,ガバナンス,サービス管理などを提供するSOAでは,多くの場合APIがSOAのファサード(Facade)になっています。
Ericはまた,SOAを促進するものとして "アプリケーション・モダナイゼーション" というトレンドにも注目している。
アプリケーションはモバイルやクラウド,ビッグデータなどの新しいテクノロジをサポートするように最新化されなければなりません。例えばビッグデータなどは,SOAのユースケースであるとは思われないかも知れません。しかし,低レイテンシなリアルタムメッセージングは多くのSOA実装で使用されているものであり,現在ではイベント解析とルールの適用を通じて,ビッグデータに関連する多くの問題解決に利用されています。SOAはイベントをサポートし,イベント処理はビッグデータのソリューションを - 特に高速処理に関する問題を - サポートします。
SOAに関しては,他にも予想を公開している人たちがいる。その中のひとり,GazzangのCEOである Larry Warnock氏は,
クラウド技術の採用拡大と信頼性向上を背景としたビッグデータが,これまでのような影の存在から脱して,会議室での議題へと進出を始めています。ビッグデータはすでに,ほとんどの企業で話題のひとつになってはいますが,従来のそれは,ITや開発プロジェクトの方面に限られたものでした。来年はこれらの組織でも,より優れたビジネスインテリジェンス,製品革新,ユーザサービスを促進するためのソリューションとして,ビッグデータを意識し始めるでしょう。
そしてもちろん我々InfoQも,SOAとクラウドの連携には過去数年間に渡って注目を続けている。したがってこの分野でさまざまな予想が立てられることは,さほど意外ではない。例えばRyan Hughes氏は2013年を,'プライベートクラウド' よりも'クラウドウォッシュ仮想化(Cloud-Washed Virtualization) ' という言葉がもてはやされる年になると予想している。
VMにアサイン可能なRAM容量が自由に決定できるというだけで,内部IT運用を"クラウドウォッシュ"したり,実体と違う名前で呼んでよいという理屈にはなりません ... 確かにプライベートではありますが (それにしても,手が届くところにサーバがあるということの何が嬉しいんでしょうか?),クラウドでないことは確実でしょう。
実際にRyanは,'クラウド'という用語を次のような項目で厳格に定義するべきだ,と考えている。
• ITを運用コスト(OpEx - Opereational Expenditures)のみの存在にする
• 即座にグローバル化可能である
• 初期あるいは将来的に必要な容量の推測が不要である
そして最後に,最近のモバイルに関連するバズワードの氾濫を知っていれば,モバイルが今後も大きな影響力を持ち続けるという予想を聞いても,さほど意外ではないはずだ。例えばIDCは,"アズ・ア・サービス" としてのモバイルとクラウドの支配力に着目する。
過去数年間,モバイルコンピューティングとクラウドサービス,ソーシャルネットワーキング,そしてビッグデータ分析技術の上に構築された第3者プラットフォームへのITの変遷は,International Data Corporation(IDC) の行う年間予測の主要なテーマでした。2013年はこの第3者プラットフォームへのシフトがさらに加速し,業界はこれまでの検討段階を脱して,本格的かつ高リスクな競合段階に移行するものと,IDCでは予測しています。
タイムマシンや水晶玉を所持している皆さんならば,2013年には何が起きるのか,もっと正確な予想を立てることができるかも知れない。あるいは,そのようなのものを持っていなくても,ここで紹介した予想への感想や,読者自身の予想について聞かせてほしいと思う。それでは皆さんに楽しい休暇を,そして2013年が素晴らしい年でありますように!