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DotNetNuke - 変遷の10年

原文(投稿日:2013/01/15)へのリンク

 

ASP.NETベースのコンテンツ管理システムである DotNetNuke が,2012年12月24日で開発10周年を迎えた。当初は単純なアプリケーションだったDotNetNukeは10年間,ASP.NET コミュニティにおける最も先進的な製品へと,ゆっくり階段を昇ってきたのだ。

DotNetNukeは元々 Shaun Walker 氏が,IBuySpyポータルを拡張したオープンソースプロジェクトとして IBuySpy の名称でローンチしたものだ。当時は無償で,Microsoftから提供されていた。

2003年になって,IBuySpy WorkshopからDotNetNukeへと名称を変更した。開発者から多くのフィードバックを得た Shaun は,さまざまなモジュールやスキンを開発するコアチームを結成した。この年には,DotNetNukeの活動すべてに対してMicrosoftからスポンサーシップを受けるという,重要なマイルストーンも達成している。

2004年にはDotNetNuke 2.0のリリースに合わせて,サードパーティの開発したスキンやモジュールを販売するマーケットプレースポータルであるShowcoveredがローンチされた。製品の売上は開発者に支払われたので,このサイトは彼らにとって収益の源泉となった。

2005年は3.0と4.0のローンチに加えて,初のDotNetNuke書籍がWroxから発行された年である。Nik Kalyani 氏がこの年に作成した最初のロゴは,DotNetNukeの公式ウェブサイトで現在も使用されている。2005年に全世界で100万件のダウンロードを達成し,翌2006年には4人の創設者とフルタイムの従業者によってLLCとして法人化された。

2007年,Navin Nagiah 氏がビジネスアドバイザとして参加した。また,最初の OpenForce カンファレンスがヨーロッパで開催された。OpenForceはその後,DevConnections の協賛を受けて米国で開催されている。さらに,自社独自のマーケットプレース立ち上げの公式発表に続いて,300万ダウンロードの達成も発表している。

2008年にはCodePlexの開発でMicrosoftと提携した。第2回のOpenForceカンファレンスも開催されている。この年には投資家から多額の資金を調達し,OpenForceに関連する地方イベントをオーランドで開催した。

プロジェクトは無償のオープンソースソリューションとして配布を続けてきたが,2009年には最初の Professional Edition がローンチされている。この年,第3回のOpenForce DevConnectionカンファレンスも開催された。

また,Snowcovered.comを買収し,オフィシャルストアとしてブランディングした。さらにCambrianというコードネームのバージョン5に合わせて, パートナープログラムのローンチを発表した。

Professional Editionの法人ユーザが1,000社を越えた2010年には,Enterprise Edition のローンチ,第2ラウンドの資金調達などを実施している。さらに研修用の教材を Engage Software から,オープンドキュメントライブラリとオープン検索を Xepient Solutions から買収した。この年DotNetNukeは,500万ダウンロードという大きなマイルストーンも達成している。

2011年には,最新のユーザインターフェースと拡張モジュールをサポートするDotNetNukeバージョン6.0,および6.1がリリースされた。2,000法人ユーザとのサービス契約も達成した。最初の DNNWorld 開催,ActiveModules の買収もこの年だ。さらに Inc マガジンによる上位500社にも選ばれている。

2012年12月31日現在,アプリケーションのダウンロード数は合計700万に達している。Microsoftとは Windows Azure クラウドでのDotNetNukeの配布に関して戦略的提携を結んでいる。さらにDotNetNukeの次期リリースで完全な URL 管理ソリューションを提供すべく,オーストラリアのクイーンズランドを本拠とするウェブサイトおよびソフトウェア開発企業 iFinity を買収した。

また第2回DNNWorldカンファレンスの企画に合わせて,DotNetNukeに精通し,コミュニティにおける自身の経験と知識の共有に協力的なプロフェッショナルを承認する MVP プログラムを2012年にローンチした。

DotNetNukeには現在,100万人を越えるコミュニティメンバが存在し,ディスカッションフォーラム に積極的に参加している。ユーザからの質問にボランティアが回答する場であると同時に,モジュールやプラグイン,スキンの開発への協力,最終リリース前の新ビルドのベータテストなどもここで行われる。

"ご覧のとおり,10年前のローンチ以来,DotNetNukeはASP.NET業界で長足の進歩を遂げてきました。多数のマイルストーンを達成して,ユーザと開発者の目的達成を支援しています。次の10年間にもぜひご期待ください。" と語るのは,DotNetNukeのスポークスマンであるTracey Sheehy氏だ。

"DNNは優れた柔軟性に加えて,ウェブアプリケーション開発のフレームワークとしても機能します。オープンAPIを使用することで,他のアプリケーションと容易に統合することができるのです。" Applied Innovations でアカウントマネージャを務める Cara Pluff 氏は,他の3つの一般的なコンテントマネージメントシステム/ブログプラットフォームとの比較で,DotNetNukeをこのように評価している。

"DNNは十分に成熟した製品だと思います。習得に要する時間に対して,十分に見合った成果を期待できます。" ASP.NET 開発者である Peter の意見だ。ただし氏は,DotNetNuke で構築したサイトの処理速度に関する懸念も合わせて指摘している。

DotNetNuke のパートナである DataSprings は,JoomlaとDotNetNukeを比較して,コア機能にアドバンテージがあると評する一方で,Joomlaの利点となっているサードパーティ拡張機能のいくつかが欠けている点を指摘している。同じ記事には,Joomlaの管理スタイルがDotNetNukeのインライン編集ほどエレガントではないこと,全体的に柔軟性に欠けていることなどといった事実についても概説されている。

"既存システムとの緊密な結合が可能な,革新的かつ利用価値の高いコマースソリューションとして,DotNetNukeは,オンラインセールスへの参入を望む企業にとって勝利の方程式となっています。" DataSpringsは比較記事をこのように結んでいる。

 

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