新しく作られたGoogle Web Toolkit (GWT)運営委員会は、最近世界中の1300人余りの Google Web Toolkitユーザーの意見、使い方、希望を集めた「GWTの将来」報告を公開した。
GWTはオープンソースのツールセットで、開発者はJavaで複雑な JavaScript アプリケーションを作成、保守できる。Googleは、2006年5月16日に最初のGWTをリリースし、2012年6月にプロジェクトのコントロールを運営委員会に渡した。これには、Vaadin, Google, Sencha、RedHatからメンバーが加わっている。この報告は、これまで行われたGWT開発に関する最も包括的な調査結果を提供している。
GWTはよくエンタープライズ技術と考えられているが、調査回答者の65%は、会社外のプロジェクトで使用している。すなわち、プロジェクトのわずか1%がゲームで、圧倒的多数がビジネスアプリケーションである。
回答者の半数は、100万行を超える、非圧縮の難読化されたJavascriptコードを持つプロジェクトで仕事をしており、このことは、GWTアプリケーションは複雑かつ/あるいはGWTは、比較的単純なアプリケーション向けに多くのJavascriptコードを生成していることが示唆している。アプリケーションの46%は、21余りの画面を持ち、報告中の幾つものコメントが示唆しているのは、GWTの大きな利点の一つが、複数の開発者が関わる際に、Javaでの静的型付けへのアクセスとコンパイル時のエラーチェックである。しかし、調査した平均的なGWTプロジェクトチームは、フロントエンドの開発者は3人未満であり、多くのプロジェクトは大人数のフロントエンド開発者で開発してはいない。
アプリケーションの圧倒的多数(98%以上)は、デスクトップベースのユーザーをターゲットにしており、これらのアプリ幾つもがタブレット(36%)もターゲットにしており、少ないがアプリの26%はモバイルフォンもターゲットにしている。
GWTの主な不満は、コンパイル時間(49%)と充分な品質のUIウィジット(34%)が無いことである。GWTの最大の利点は、ブラウザの互換性問題を処理しないで済むこと(60%)。不満があるにも関わらず、自己選択した回答者の88%以上は、次のプロジェクトでもGWTを使う予定である。報告は名前とメールアドレスを知らせればオンラインで入手できる。