ThoughtWorksの最新の"Technology Radar"はモバイル、アクセス容易な分析、シンプルなアーキテクチャ、再現可能な環境、データ永続化の正しい方法に着目している。
利用者は将来、主にモバイルプラットフォーム経由でシステムを利用するようになる。この傾向は今回の"Technology Radar"の推奨の方向性を定めている。また、信頼性の高いクラウドコンピューティングプラットフォームがアクセス容易な分析をどのように実現するかについてもひとつのトレンドになっている。交換可能な技術を使ってシンプルなアーキテクチャを実現する必要性も強調されている。また、可視性、追跡可能性、拡張可能性、信頼性を獲得するために再現可能な環境を簡単に作れることが薦められている。ソフトウエアエンジニアはNoSqlデータベースを使って簡単にドメインをモデリングし、正しい方法でデータを永続化することが推奨されている。
導入が推奨されている技術はモバイルプラットフォームの普及と強く関連している。
"モバイルファーストとはユーザインターフェースやサーバとのインタラクションをモバイルデバイスをターゲットにして設計することでこのようなトレンドに対応することです。"
バックエンドシステムは複雑な分散ドメインを簡単に表現できるグラフデータベース技術を取り入れつつある。
"グラフデータベースは、テーブルやジョインではなく、名前付きの関係で複雑に繋がったノードとしての情報を保存できます。"
さらに、バックエンドシステムは可能な限りの巨大なデータを保持し、クラウドという安価な計算リソースを使って大規模な分析が可能になる。
"NoSQLやデータハーベスタ、MapReduceフレームワーク、クラスタ、シェアード・ナッシングアーキテクチャを採用したサーバによるクラスタ構成などの新進の技術を使うことで、このような技術[機会学習、セマンティック分析、テキストマイニング、定量分析]を真に効果的に利用することができます。"
一方、保留の技術もある。継続的統合を不安定にしてしまうような技術だ。
"Seleniumのようなブラウザ自動化ツールはブラウザを通じた自動テストの普及を推し進めてきました。このようなテスト方法か今後もひとつのテストの手段として一定の位置を占めますが、ほとんどのチームがテストの大部分をブラウザ経由で行うと、重い、脆弱なテストスイートが出来上がることを知っています。"
[上述の引用はすべてThoughtWorksの"Technology Radar"から]
推奨された内容の一部はDevOpsのベストプラクティスを強化する。自動配置とChef やPuppetというような構成管理ツールを利用したコードとしてのインフラという考え方が大規模なサーバ群の効率的な管理を実現する。自動的に拡張する大規模なサーバ群(例えばAWS Auto Scaling)にとっては、とりわけイミュータブルなサーバが重要になる。クラウドでの継続的統合は、利点を見つけ、リスク (セキュリティ、ベンダの規約、技術的スタックの利用可能性)を管理できる準備があるプロジェクトにとっては試してみることができる状態にある。継続的統合にクラウドを利用しているAtTaskと彼らのソリューションは自分たちの受け入れテストの時間を3日から数分までに削減した。
"Technology Radar"はどのような技術を導入し、どのような技術は保留するべきかを推奨することで意思決定に影響を与えることを目的にしている。今回の"Technology Radar"も前回のフォーマットを踏襲している。また、GartnerのHype Cycleを伴う技術動向調査にも似ている。