Agile Alliance の後援する ブラジル で初の Open Space イベントが1月24日,"Agile in Brazil - from Developers to Executive" と題して当地フロリアノポリスで開催された。
市内で行われたAgile Allianceボードミーティングに合わせて計画されたもので,ボードのメンバも積極的に参加している。地元のアジャイルコミュニティとAgile Allianceが共催し,Diana Larsen 氏と Samuel Cresencio 氏 (ポルトガル語への同時通訳も担当した) が協力したこのイベントには,100名を越える参加者がブラジル全域のみならず,遠くカナダからも集まった。
イベントはLarsen氏によるOpen Spaceのコンセプトと原理の紹介から始まった。Open Spaceは自己組織型のイベントだ。参加者は議論したいテーマを自ら提案し,希望するセッションをイベント当日に選択して参加する。セッションのプログラムは流動的で,イベントの展開によって変更されることもある。 参加者は簡単なルールに従う。
- 誰でも参加できる
- いつでも始められる
- いつまでも続けられる
- どんな内容も許される
- 何も強制されない
Open Spaceのイベントには4つの役割がある。
- ホスト – セッションを提案し,その開始に立ち会い,すべての出席者が参加できるように努める。セッションを支援する,あるいは支援の手配を行う。セッションを記録する,あるいは記録の手配を行う。
- 参加者 – セッションに出席して議論に参加する。
- バンブルビー(Bumblebee/マルハナバチ) – セッション間を渡り歩き,セッションからセッションへと,アイデアの受粉活動を行う。
- バタフライ(蝶) – セッションで学んだことを吟味して,外部に伝える (その場を美しくするという意味で,蝶と呼ばれる)。
氏が強調したのは "2本足の法則 (law of two feet)" だ。すなわち,"そこで学ぶもの,あるいは貢献できるものがないと感じたのなら,それが可能な場所へと自ら移動しなさい",セッションの入退場は自由なだけでなく,奨められる行動なのだ。
アジェンダは70分のタイムスロット4つで構成される。8つのセッションスペース (会場周辺に広がっている) が壁に沿って確保され,参加者にはセッションを提案し,それをグリッド上の希望する場所のタイムスロットに加えるように求められていた。
そのようにして提案されたセッションの数は20を越えた。内容もリーンスタートアップの基礎,アジャイルと分散チームの課題,アジャイルコーチング,ミカドメソッドによる巨大なレガシコードベースのリファクタなど多彩だ。
セッションは1日を通して続けられ,参加者は多くの知識と経験を共有することができた。
イベントの最後には反省会が行われ,参加者たちがそれぞれ,イベントの結果と成果について感想を語った。その内容は一様に肯定的なもので,今回のイベントの持つ意義を明確に示していた。
Agile Alliance の議長を努めるRebecca Parsons氏が最後に,次のように語った。
フロリアノポリス地域コミュニティから大勢の参加があったのは,本当に素晴らしいことです。Agile Openイベントはコミュニティが,コミュニティのために運営するものです。今回のコミュニティの協力については,Agile Alliance として誇りに思っています。
Shane Hastie 氏はアジャイルコーチ,トレーナ,コンサルタンとして,オーストラリアおよびニュージーランドのソフトウェア教育に携わっている。