North America Business ReviewのMark Balbes氏の記事によれば、振り返りによってアジャイルを導入している組織がより柔軟で堅牢でより効率的な組織になれるそうだ。氏はcontinuous improvement and the agile retrospectiveという記事で、氏のチームが持続的で適応的な方法としての振り返りの使い方について説明している。この記事では振り返りについての経験や振り返りを継続的に改善する方法を例示している。
氏は、手始めに開発とマネジメントの規範的な手法としてアジャイルを利用した後、組織は特定のニーズを満たすためにアジャイルを使いたがるようになる、と説明する。
ある時点で、自分たちの組織の独自文化やビジネスドメイン、特別なプロジェクトの要求は決まりきったアジャイルの手法では十分に対処できないことに気付きます。そのとき、“規則通り”に実践しつづけることに固執してしまうと、チームやプロセス、製品を改善する大切な機会を逸してしまいます。
氏は振り返りを始めることを提案する。振り返りはチームの働き方を改善するのを助ける。
振り返りは全員参加のチームミーティングで、なるべく毎週規則的に行い、“調子はどうか?”や、ときには“何が上手くいっていないか?”を皆で問います。
経験を語る中で、振り返りを行うことで問題をコントロールすることを議論することで、巨大なコードベースと共にある問題の原因を特定することができる、と氏は言う。氏の考えでは、振り返りで何を行うかが重要だ。
振り返りは新しいことではありません。企業は振り返りや似たようなことを昔から行っています。振り返りを役に立つものにするには、より効果的に行わなければなりません。フォーカスがなければ、非生産的な会議になってしまいます。外部の調整役がいるとフォーカスが生まれます。チームのメンバではないが、議論を深めるために参加する人です。
ゲームと訓練は振り返りの重要な部分です。(…) 優れたゲームや訓練は公に話しやすい環境や匿名性を提供することで、人々の意見や口にし難い問題を引き出すことができます。
振り返りの実施方法についていくつか例示した後、氏はこの記事を徐々に継続的にプロセスを改善する方法をどのように学んだかを示し、この記事を締めくくっている。
私のチームは4年間ではるかによくなりました。ゆっくりとした安定したプロセスで改善してきましたが、このプロセスは決して終わりません。最初は基本的なことを改善しました。ペアリングやテスト駆動開発などソフトウエア開発の原則をよりしっかりと実践することです。(…) 私たちの最後のプロセス変更は2ヶ月前です。これは大きな変更でした。カンバンのプロセスを再度作り直し、目に見えるストーリーではなく、最小市場価値機能(MMF)に注力するようにしたのです。
アジャイルコンサルティングコーチであるJayaprakash Puttaswamy氏はinspect and adapt: isn’t it the key?というブログ記事で、アジャイルを導入するために振り返りがなぜ重要なのか説明している。
アジャイルな方法で働く場合(アジャイル、スクラム、XPなど)、調査したり適応したりするチームの能力はプロジェクトの成功や失敗に巨大な影響を与えます。事実、ある種の調査の結果によれば、振り返りの無駄な使い方はアジャイル導入失敗の最大の理由です。
(…) “調査と適応”のセッションを定期的に行うことで私のチームは前進し続ける力を得ることができました。
氏は振り返りのさまざまな方法を例示し、振り返りを実施する必要性を再度強調する。
アジャイルを実施するには、どんな状態であれ、プロジェクトの大きさに関わらず、定期的に目的や優先順位、実行戦略を内省することはリスクを緩和し、変化に対処する上で非常に重要です。持続性の観点から考えれば“調査と適応”はアジャイルの中で鍵となる実践です。
agile retrospectives: making good teams greatの著者のひとりであるDiana Larsen氏は、acting on actionsという自身のブログ記事で、振り返りが効果的かどうかをチェックするために“におい”を利用する方法について書いている。
私は振り返りのときに、いつもチームが抱えている問題について質問します。するといつも同じテーマが現れます。つまり、「行動について行動すること」です。私たちのチームは“私たちのチームは行動計画に従って行動していない”という発言を聞き、また、“私たちのチームは改善策を見つけていない”と聞きます。これは振り返りの“におい”です。
においを説明し、問題を解決するためにできることを説明した後、氏は振り返りは組織のアジャイル導入を助けると結論を下す。
もしチームの振り返りがプロセスやチームワーク、手法を継続的に改善しないなら、皆の時間を無駄にしていることになります。