Red Hat がプログラム言語 Ceylon M5 をIDE(Integrated Development Environment/統合開発環境) とともに公開した。Nesa Pongというコードネームで呼ばれていたものだ。Ceylon M5 はジェネリックな型引数を持った完全具象型システムと,datetimeモジュールを含むネイティブJavaScriptとの完全な相互運用性を備えている。
Ceylon M5は タプル(tuple) もサポートしている。タプルはリスト内の各要素の静的な型をキャプチャするリンクリストである。新機能のダイナミックブロックを経由すれば,ネイティブなJavaScript APIとの相互操作も可能だ。長さ指定による範囲 演算子 : もサポートされた。指定された始点と長さの整数シーケンスを生成する演算子だ。
ファットアロー => を使った前方宣言も用意されている。その他にも スプレッドオペレータ や遅延アノテーション,イテラブル(iterable)のシンタックスシュガー,2進数と16進数の数値リテラル,デフォルト指定を持つ型パラメータ,具象化ジェネリクス などの機能がサポートされている。バックスラッシュやダブルクオートといった文字をエスケープしないで記述できるバーベタイム(verbatim)文字列もサポートされた。この文字列の定義には,文字列リテラルを3つのダブルクオートで囲む必要がある。
RedHatでCeylonの開発リーダを務める Gavin King 氏によれば,M5リリース にはアノテーションやシリアライゼーション,リフレクションは含まれていない。
最新リリースではさらに,ceylon.timeモジュール,ceylon.net.http.serverパッケージ,Java配列と相互運用性を持つように再実装されたcompose()とcurry()関数なども提供される。言語仕様やドキュメントの更新に加えて,コミュニティのフィードバックや実際の利用経験に対応するための重要な文法変更も行われている。