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LLVM開発者らがACM Awards 2012 を受賞

原文(投稿日:2013/04/12)へのリンク

 

ACMは2012年のコンピューティング技術革新に対する表彰を行った。LLVM開発者らがソフトウェアシステム賞 (Software System Award) などを受賞している。

ACM (Association for Computing Machinery) は,2012年の "コンピュータネットワーク,情報検索,コンピュータ科学教育,マルチエージェントシステム,コンピュータ技術全般,ユーザインターフェース技術における成果" による,"コンピュータ科学が実世界の課題を解決する上で多大な貢献" に対して,権威ある6つの賞の授与を発表した

その中のひとつである ソフトウェアシステム賞 は,LLVM Computer Infrastructure プロジェクトによる貢献に対して,Vikram S AdveEvan ChengChris Lattner の各氏に贈られた。LLVMはプログラム言語のコード解析と変換を行うための汎用的なツールセットで,そのテクノロジはApple, Adobe, AMD, Arxan, AutoESL, Cray, Google, Intel, National Instruments, nVidia, REAL Software, XMOSなどが開発したさまざまな製品に応用されている。2012年12月にリリースされたLLVM 3.2に続き,バージョン3.3 が近日中にリリースされる予定だ。

1983年に始められたACMソフトウェアシステム賞は,これまで数々の有名人に対して贈られている。Dennis Ritchie, Ken Thompson両氏はUNIXで,Alan Kay氏はSmalltalkで,Michael Stonebraker氏はINGRESで,Vinton Cerf氏はTCP/IPで,Tim Berners-Lee氏はWWWで受賞している。その他にも,ここでは すべてのリスト を紹介できないほど多くの受賞者がいる。

Martin CasadoDina Katabi の両氏はSDN (Software Defined Networking) の開発で,その年の傑出した若手コンピュータ技術者に与えられる グレース・ホッパー賞 (Grace Murray Hopper Award) を受賞した。Casado氏は,ハードウェアベースのネットワークコンピュータを OpenFlow (オープンなAPIのひとつ) と OpenVswitch スイッチ,SDNコントローラの NOX と ONIX を使ってソフトウェアで実現した功績を評価された。一方のDina Katabi氏は,新しいアプローチを採用したネットワーク輻輳制御の設計を通じて重要な貢献をしている。

Andrei Broder, Moses Charikar, Piotr Indyk の各氏は,大規模データベースで類似したエントリを検索する LSH (Locally-Sensitive Hashing) アルゴリズムによって パリス・カネラキス実践的理論賞 (Paris Kanellakis Theory and Practice Award) を受賞した。

Eric Roberts 氏は,コンピュータ科学教育への貢献で カール・カールストローム教育賞 (Karl V. Karlstrom Outstanding Educator Award) を受賞した。Thinking Recursively の著者であるRobert氏は,スタンフォード大学の学部生向けのコンピュータ科学プログラムと,バミューダの公立高校のためのコンピュータ用カリキュラムを開発している。

Yoav Shoham 氏とMoshe Tennenholtz氏は アレン・ニューウェル賞 (ACM/AAAI Allen Newell Award) を受賞した。”コンピュータ科学,ゲーム理論,経済学にわたるマルチエージェントシステム" への貢献が認められたものだ。Shoham氏は "分散マルチエージェントシステムを特徴付ける方法論" の,Tenneholtz氏は "意思決定者間の相互作用をコンピュータで表現するための設計・解析への各種アプローチ" の先駆者だ。Tennenholtz氏はさらに,環境との相互作用によって学習するアルゴリズムであるRMaxの開発者でもある。

Thomas Bartoschek, Johannes Schöning両氏は,"学校の地理情報科学 (Geoinformatics at School, GISchool)" で ユージン.L.ローラ賞 (Eugene L. Lawler Award) を受賞した。これは学生が "地理情報とユーザインターフェース技術によって自らのコミュニティにおける問題解決を図る" ことを可能にするプログラムだ。

 

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