先進的なクラウドベースアーキテクチャと各種の診断機能を備えた,ライトウェイトなモニタサービスの LeanSentry がアップデートされ,新たに スマートアラート を装備した。監視対象のアプリケーションに生じた変化を常時,Eメールを通じてユーザに自動通知する機能だ。監視対象とするサーバやURL,エラー内容を事前に設定しておくだけで,LeanSentryがEメールによってレポートを配信してくれる。
LeanSentryには重要なエラーを,Eメールとダッシュボードの両方で自動的に強調する機能もある。これによって開発者は,特に注意の必要なエラーに対して意識を集中することができる。サポート対象はWindows 7/8,windows Server 2008/2012 などだ。今回のアップデートではサーバダッシュボードも刷新された。さらにリソースの過負荷診断,旧ASPサポート,マルチアカウントなどの機能が追加されている。
MicrosoftでASP.NETとIISのプログラムマネージャを務め,現在はLeanServerのCTOである Michael Volodarsky 氏がInfoQとの独占インタビューに応じて,LeanSentryのさまざまな側面に対する自身の見解を語ってくれた。
InfoQ: LeanSentryのおもな目的について教えていただけますか?
Windowsアプリケーション製品を運用しているIT/DevOpsの,日々のアプリケーション監視とトラブル対応作業を支援することが目的です。LeanSentry は,当社の持つプラットフォームに関する専門知識を提供することによって,彼らが一般的な製品問題の対処に費やしている膨大な時間を削減します。
InfoQ: どのような使用方法で開発者を支援するのでしょうか?
稼動中のアプリケーションの状態をより分かりやすくすること,問題発見とトラブルシュートに費やす時間を大幅に削減すること,この2つです。
InfoQ: 今回導入されたスマートアラートについて,その最大のメリットは何でしょう?
アラートには障害の検知とその対応支援を通じて,DevOpsの問題対応ワークフローを起動する役割があります。スマートアラートは,ユーザにとって重要なアラートをインテリジェントに選択するものです。これによってアラートが多すぎたり,不足したりするという問題が解決されます。無関係なアラートの大洪水にユーザが圧倒されてしまうのを防止するのです。
最後にもうひとつ,LeanSentryのアラートは発生した問題の全体像を要約して示すのと同時に,可能ならば根本原因の診断も自動的に行ってくれます。
InfoQ: 日報メールの中で,重要なエラーを強調表示する目的は何でしょう?
ほとんどのアプリケーションは常に何らかのエラーを抱えています。ですから,どれが対応を要するのか判別するのは非常に難しいことです。LeanSentryは意味のあるエラーを自動的に識別します。新しいエラーや急激に増加しているエラーなどを見つけ出して,確認すべきエラーとしてユーザに提示するのです。
InfoQ: LeanSentryとNewRelicの違いについて説明してください。
LeanSentryはWindowsのWebアプリケーションに特化した,専門的なパフォーマンス監視診断サービスです。多くの分析と診断ノウハウの提供を通じて,ユーザの問題解決とMicrosoft Webアプリの改善を支援します。
New Relicは汎用のプロファイラ/APMツールですので,プラットフォームに特化した診断は行いません。またLeanSentryは軽量なWindows管理プロトコルをベースとしているので,完全にエージェントレスで運用が可能な上に,アプリケーションに負荷を加えるようなプロファイラ (運用環境では受け入れられない,とする人も少なくありません) も使用しません。
InfoQ: LeanSentryを使用することで,アプリケーションのパフォーマンスを向上できるのでしょうか?
はい,問題点の指摘や積極的なガイダンスを示すことによってパフォーマンスを向上します。
InfoQ: 共有ホスティングのシナリオに従って配置されているASP.NET/IIS アプリケーションを監視することは可能でしょうか?
現時点ではできません。サーバへの管理権限でのアクセスが必要だからです。ただし,LeanSentryを複数のホスティングクライアントに配置することはできます。
InfoQ: ライセンスは,各サーバ用のものを個別に購入する必要があるのでしょうか?
LeanSentryは適切な価格の利用課金モデルを採用しています。使用した日数に対して,サーバ毎に自動的に課金される仕組みです。ですから実行ライセンスは必要ありません。
nfoQ: 今後のロードマップについて教えていただけますか?
2013年の第2四半期には診断項目や専門的な洞察をさらに充実させて,Webアプリケーションの改善支援や,アプリケーションの問題を検出・診断する積極的なワークフローを推進するつもりです。それが過ぎれば,プラットフォーム上にさらなる価値を構築するためのユーザを募集するつもりです - APIの統合やロードテスト,問題からの自動リカバリなどです。