PostSharp 3.0 はVisual StudioとNuGetの密接な統合を実現するソフトウェアだ。マウスクリックを2回するだけで,新規プロジェクトのメソッドにアスペクトを適用できるようになる。必要なパッケージはすべて,PostSharpが自動的にダウンロードしてくれる。
ただし場合によっては,追加情報が必要になる。例えばロギングのアスペクトを追加する場合,初回には使用したいロギング・フレームワークの選択入力が求められる。
選択したフレームワークによっては,手操作による設定が必要になる場合もある。例えばLog4Netでは,通常どおりappenderをapp.configファイルに列記しなければならない。
アスペクト指向プログラミングツールにおける最大の懸念点は,修正後のコードがどのようになるのか,という点に関する不確実性にある。PostSharpにはプレビュー機能がないが,ILSpyやdoPeek,Reflectorといった,サードパーティの逆コンパイラを利用することはできる。
今回のリリースが,Windows StoreとWindows Phone,Silverlightに対応した最初のバージョンになる。これらのフレームワークのサポートは,ポータブルクラスライブラリを通じて実現されている。 各フレームワークにバイナリシリアライザがない,という問題への回避策として,PostSharpでは独自に PortableFormatter を提供している。
多くのソフトウェアベンダと同じように,PostSharpもバージョン単位の価格モデルの放棄を決定した。予算のない開発者は,フリーバージョンのPostSharp Expressを使用すればよい。 より高機能なものが必要ならば,年間449ドルのProから始まって,Ultimate Editionでは799ドルとなるサブスクリプションを購入する必要がある。2年目以降の追加サポート価格は,それぞれ約140ドルと250ドル/年だ。また,各ライセンスは同時実行ユーザ単位であって,ユーザ単位ではないので,ある程度の共有は可能だ。