2012年11月、Jurgen Appelo、Maarten Volders、Vasco Duartoの三氏が集まった。共通の目的を持っていることが判明したからだ。彼らは“人々が幸せに働き、より良い人生を送ることができるようにすること”を目的にしている。彼らはKen Lum氏の写真“Melly Shum hates her job”の着想を得た。
今年のはじめ、Happy Mellyチームが発表された。このチームはHappy Mellyビジネスを展開する。このビジネスは“ビジネスネットワークとして作られた実験的な組織”だ。InfoQはHappy MellyのCollaborative Community CreatorであるLisette Sutherland氏に話を聞いた。
InfoQ: Happy Mellyとは何ですか。
Lisette: Happy Mellyは書籍やオンラインコース、カンファレンス、ポッドキャスト、ワークショップ、ゲーム、アプリを通じて、知識労働者の生活を改善するプロジェクトです。
Happy Mellyのゴールは仕事を素晴らしく満足感のある体験にすることです。とりわけ、
素晴らしいアイディアを発表し、人々を啓発する
ライターやデザイナと協力して啓発的な書籍やビデオを作る
素晴らしいゲームやオンラインコースをトレーナーやファシリテータに提供する
重要なトピックについてアプリやビデオ、ウェブサイトを使って支援する
レビューやイラスト作成、翻訳などをコーディネイトする
カンファレンスやワークショップ、セミナーなどのイベントをサポートする
幸せな人々を見つけ、集め、ストーリーを共有する
InfoQ: Happy Mellyはどうして生まれたのですか。目的はなんでしょう。
Lisette: 多くの人々は仕事がすきではありません。それゆえ、多くのビジネスは環境の変化に耐えられません。幸せに働いているなら、仕事をするモチベーションも上がり、もっと貢献するでしょう。
Happy Mellyは、ビジネスは共通の目的を持ち、価値を生み出す人々のコミュニティであり、そのようにビジネスを育てるのが最良だと考えています。人々に参加してもらい、健康的で適応的な組織を育てるのを手伝ってほしいと思っています。そうなることで、仕事をすることの幸せが増大し、素晴らしいことができるのです。
InfoQ: Happy Mellyと他の企業の違いは何ですか。
Lisette: ほとんどのビジネスは階層的に設計されています。ディレクターがいて、部門があって、幹部がいて、子会社があります。しかし、Happy Mellyは別の実験をしています。Happy Mellyはビジネスネットワークであり、分散的なガバナンスを持ち、 マネジメントは憲法を使って作られています。
InfoQ: Happy Mellyは部族ビジネスの一例です。部族ビジネスとは何でしょうか。Happy Mellyはどのようにこの考えを適用していますか。
Lisette: 部族ビジネスの正式な定義はありません。私たちがHappy Mellyを“部族的”と言及しているのは、私たちは自分たちをひとつの明確な目的のために集まった、明確なアイデンティティと価値を持つコミュニティと考えているからです。階層を持ち、複数のネットワークを形成/分解するのではなく、ひとつのネットワークを持ち、階層を作成/解体します。そして、誰がこのビジネスを管理するのかを定める憲法を持っています。この憲法は法的組織の招集と利害関係者の会議の開催を求めます。誰がCEOになり、誰が取締役会会長になるのか決めるのです。CEOと取締役会は信認を得られる限り、在任します。この仕組みが部族、あるいはエコシステムを作るのです。
私たちはすべてのHappy Mellyに関わる組織体が最もやりたいことの周りに自己組織化されると思います。例えば、中国のHappy Mellyはかっこいい動画を作ることに特化したいと思うかもしれません。また、ポーランドのHappy Mellyは西ヨーロッパ向けにコースウエアのライセンシングを調整します。アメリカのHappy Mellyは英語で世界規模で書籍を出版したり、記事を書いたりしたいかも知れません。アルゼンチンのHappy Mellyはすべての素材や教材をスペイン語に翻訳するかもしれません。
InfoQ: Happy Mellyで既に始まっている動きについて教えてください。
Lisette: ベルギーのアントワープで6月14日の6月15日に“DARE”というカンファレンスを行う予定です。このカンファレンスは、どのように組織をより生産的で創造的でにするのかについて取り上げます。
また、Management 3.0のファシリテータが受ける質問に対して答える書籍も準備しています。
複雑な問題の解決方法やどのような大きさの組織でもリアルタイムで働く方法などを教えるチームコラボレーション関連のワークショップも準備しています。
Happy Mellyとは何で何ができるのかを説明した動画もあります。実現しようとしているアイディアはたくさんあります。最新の情報についてはHappy Mellyのウェブサイトを確認してみてください。
InfoQ: InfoQの読者がHappy Mellyに参画したい場合どうすればいいですか。
Lisette: Happy Mellyに参加してビジネスを盛り上がりのあるコミュニティに変換するためには次の3つの方法があります。1) 法的組織体を立ち上げる、 2) ステークホルダーとして参加する、3) 他の人がHappy Mellyになるように啓発する。