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Build 2013の2日目の基調講演

原文(投稿日:2013/06/27)へのリンク

MicrosoftのBuild 2013の2日目はコードに着目した基調講演とともに始まった。Windows 8.1とWindows 8.Xのハードウエア/ソフトウエアのエコシステムへの注目を集めた初日と違い、2日目に行われたデモとプレゼンは開発者に対するアピールに特化していた。この記事では2日目の内容を簡単にまとめて紹介する。 

Server & Tools Business部門のプレジデントであるSatya Nadella氏はWindows AzureとMicrosoftのクラウドサービスに関する統計を紹介する基調講演を行った。

Windows Azure

  • Fortune 500企業の50%がWindows Azureを使っている
  • 320万の組織がアクティブディレクトリのアカウントを持っている
  • 6ヶ月ごとに計算能力とストレージが2倍になっている
  • Build 2012以来、100を超えるサービスがWindows Azureへリリースされている

主要なMicrosoftのクラウドサービス

  • XBox Liveには4800万人加入している
  • Skypeには2億990万人の接続ユーザがいる
  • Outlook.comは24時間で100万人のユーザを獲得
  • Office 365には5000万人のOfficeウェブアプリのユーザがいる
  • SkyDriverには2億5000万のアカウントがある
  • Bingは月に10億のモバイルのティフィケーションを実施している
  • XBox LiveではHaloで15億のゲームが行われている

Nadella氏はMicrosoftはさまざまな種類のファーストパーティクラウドサービスをサポートし、さらにサポートするだけでなく、優れたエクスペリエンスを提供していることが重要だ、と述べている。氏の言葉で言えば、“ファーストパーティのためにビルドし、サードパーティが利用できるようにしています“ 

Scott Hanselman氏は基調講演に登壇して、VS2013の最新のASP.NETについて詳しく説明した。大きな変更点はVS2013では、ASP.NETアプリケーションの起動が簡単になったということだ。プロジェクトのタイプは“ASP.NET”というひとつになり、そこから、開発者は新しいプロジェクトウィザードを使って作りたいアプリに基づいてプロジェクトをカスタマイズする。

VS2013にはTwitterのオープンソースプロジェクトであるBootstrapが同梱されている。MicrosoftはjQueryと同じようにBootstrapをサポートする予定だ。

ブラウザを使ってリアルタイムでデバッグし開発をするという重要なデバッグ機能がデモで紹介された。VS2013でコードを編集すると、ブラウザは変更を反映する。デモではHanselman氏がcshtmlを編集すると、その編集がSignalR経由で反映されるのが、 IEとChormeを使って披露された。

また、www.bootswatch.comから新しいCSSテンプレートを取得し、現在のファイルを上書きしてCTRL-ENTERをプレスすると更新がブラウザに反映された。

さらにHansleman氏は別のCSSファイルを開いてエディタの新しい機能を紹介した。CSS宣言にマウスオーバすると、VSのホバーウィンドウが表示され、どのブラウザにCSSの宣言が適用されるかを示してくれる。また、Azureのライブストリーミングトレースログをトレースし表示することもできる。

さらに、Hanselman氏はディープリンクのQRコードを生成するサイトを見せて、スマートフォンでそのQRコードをスキャンした。すると、氏の認証されている既存のディスクトップのセッションにつながり、スマートフォン上でディスクトップと同じ画面が表示された。

Satya氏が再びステージに戻り、Windows Azure Web Sitesの一般提供開始を発表した。Windows Azure Web SitesはBuild 2012で発表されて以来、プレビューのままだった。現時点では、SLAがあり、企業向けサポートも提供されている。

MicrosoftのMobile Services部門のJosh Twist氏も登壇し、Macを使ってiOSアプリにAzureのサポートを追加するデモを行った。氏は、Azureを使ってみたいと思っている開発者には無償で20MBのデータベースを提供し、このデータベースは無償で10のウェブサービスで利用できると、発表した。

Twist氏のデモでは、AzureはカスタムのXCodeプロジェクトを使い、プロジェクトが動作するように適切なAzureのURLを事前ロードしていた。こうすることでMac上でのAzure開発をすばやくできる。さらに、Windows Azure Mobile Servicesはソースコードコントロールにgitを利用できるようになり、ウェブポータル上でコードを編集する必要はなくなった。ローカル(VS, Sublimeなど)で開発したいのなら、Azureからファイルをプルして、編集が終わったらプッシュすればいいのだ。氏はSublimeを使ってJavaScriptのファイルを編集し、Gitでそのファイルをプッシュすることで、この機能を紹介した。

VS2013には新しいServer Explorerが搭載される。これは、Windows Azure上のすべてのMobile Servicesをブラウズできる。また、Windows Storeベースのアプリに間単にPush Notificationを追加できる新しいウィザードが追加された。

Satya氏は再度登壇し、Scott Guthrie氏を紹介した。

Windows Azureの支払いに関する新しいオートスケール機能が大きなニュースとなった。開発者はインスタンス数やターゲットCPU、仮想マシンを管理できる。マシンが停止している最中は請求されない。

分単位の支払いも追加された。Windows Azure AutoScaleのプレビューも発表された。

Windows Azure

  • クラウド向けアクティブディレクトリ
  • オンプレミスのアクティブディレクトリとの統合
  • クラウドアプリとのシングルサインオン
  • SAML、WS-Fed、OAuth 2.0

アプリケーションタブにはアクティブディレクトリに登録されているすべてのアプリケーションが表示される。例えば、開発者はユーザがAmazon Web Servicesにアクセスできるようにするために、Windows Azure ADを使うこともできる。 

Satya氏はOffice 365を"...プログラミング可能な領域"と説明した。

Jay Schmelzer氏がOffice 365をプラットフォームとして推進していくために行われた変更を紹介した。

  • Rich Office Model
  • Web APIを使ったアクセス
  • Azureを使った拡張
  • VS2013での開発サポート
  • Office 365アプリ + Windows Azure 

Windows Azureのプロモーションの一環で、MSDNの加入者は大幅な割引とAzureプラットフォームを利用するインセンティブを受け取れる。

  1. MSDNの開発/テストライセンスをWindows Azureで利用できる
  2. 開発/テストライセンスを最大97%ディスカウント
  3. MSDN会員はクレジットカードが必要ない

 チーフエバンジェリストであるSteve Guggenheimer氏が登壇してWindows Common Coreを説明した。

Microsoftは、すべてのWindows Deviceを1つのコードベースすることで、可能な限り簡単にサポートできるようにしたいと考えている。

John Shewchuk氏も加わり、新しいアプリケーションのデモを行った。

F12 IEツールをアクティベートするとき、ページを表示するためのリフレッシュが行われない。

エディタでウェブページの要素をドラッグ&ドロップすると、ページが動的に更新される。

Shewchuk氏がKhan Academyのウェブサイトのコードを(GitHub経由)で取得し、そのコードをネイティブのWindows 8アプリを生成するコントロールにドロップした。このアプリはリモートでXbox Oneに配置されて、Xbox上でリモートでデバッグすることもできる。

また、別のデモではBingの技術をウェブサイトに簡単に追加できることも示された。Shewchul氏はBing Knowledgeをシンプルなウェブサイトに追加した。Div要素を"Bing"関連のキーワードを含むように変更するだけで追加できる。

IntelliSenseによる補完もデータバインディングでできるようになった。Windows Embedded 8.1はバーコードスキャナ、カードリーダーをサポートする。Windows EmbeddedもWindows 8.1と同様のリリースサイクルで提供される予定だ。

 

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