プライオリティゲームとは、巨大なバックログを管理可能にするためのエクササイズだ。Michael Franken氏はこれをGOTO Amsterdam 2013で実演した。彼は聴衆にプロダクトオーナーとステークホルダーとしての役割をさせて、バックログを作り、プライオリティ付けし、完了しないものを取り除いていった。ゲームについて紹介しながら、彼は一部のプロジェクトやチームが抱えている構造化されていない長いバックログ、手に負えないほど文字が詰まったリスト、について話した。スクラムを始めるときには、こうしたバックログを抱えるとは思っていなかったでしょうと彼は問いかけた。そして、いかにプロダクトのフィーチャーの大部分が使われないかを説明し、スクラムは顧客が使わないものを作らないことで、必要なものに集中してムダを取り除くのに役立てるべきだと語った。
ゲームについて紹介したあと、彼は出席者とともにエクササイズを実演した。まず聴衆をグループに分けて、3か月で実装可能な改善項目を6つから8つ考え出すよう頼んだ。それらはすべて集められ、カンファレンスルームの壁に並べられた。これは巨大なバックログだ。次に、聴衆にアイテムをクラスタリングさせた。これでバックログに構造をもたせることができたが、壁にはまだたくさんのアイテムが並んでいる。彼は聴衆に向かって、みなさんがステークホルダーですと言った。そして、各自2ポイント与えて、一番価値があると思うクラスタに投票させた。これはアジャイルやスクラムを知らない顧客とでもやれますと説明しているうちに、投票はすぐに終わった。
全員が投票すると、彼はまず1票も得られなかったアイテムを取り除き、さらに数票しか得られなかったアイテムも取り除いた。彼はそれらを大声で読み上げ、あったらいいものですが、十分な票が得られなかったので、やらないことにしますと言った。そして、これらのアイテムを聴衆の目の前で破り捨てた。これで困る人はいますかと尋ねると、何人かが困ると言ったものの、多くの人はそれで構わないと答えた。Michael氏は、早期にバックログから取り除く判断することは、必要なものに集中するのに役立つと説明した。こうすることで、ほとんど完了することなく、何度も議論して時間をムダにするようなものを、バックログに抱えないで済むようになる。顧客の前でバックログから取り除いて破り捨てると彼らは困るかもしれないが、率直に議論してからプロダクトをリリースするのは望ましいことだ。
バックログに入れないことをはっきりさせるのには、みな最初は「ノー」と答えるものです、最終的に間違っているとは思わずに。Michael氏はこう説明した。本当に重要なものを捨ててしまうことはめったにないし、あったとしてもまた後で再度出てくるはずなので、そのときに追加すればよい。
6月18日、19日に開かれたGOTO Amsterdam 2013 Conferenceの取材記事: Linda RisingがGOTO Amsterdam 2013でインセンティブについて講演、教育系テクノロジのスタートアップ企業に学ぶ、Martin Fowler氏がGOTO Amsterdam 2013でAgileのエッセンスと流暢さについて語る、正しいもの作りのためのシンプルさ、プライオリティゲームでバックログから無駄なものを取り除く