Event Storeのバージョン2.0が先週リリースされた。セキュリティ機能がサポートされ,Event Storeのロックダウン,イベントストリームへのアクセスコントロールリスト設定が可能になる。おもな新機能は次のとおりだ。
- HTTPおよびTCP認証。アカウント管理も含まれている。
- Projections Library (Event Store用のクエリ言語)がベータ版になった。公式リリースまでにはさらに,いくつかの変更とドキュメント整備が行われる予定である。
- 環境変数と設定ファイルによるコンフィギュレーション。
- TCPクライアントがSSL経由で動作可能になった。
- AtomPubインターフェースが改善され,atomプロトコルへの準拠性が向上した。
- Getting Startedガイドなど,新たなドキュメントが追加された。
High Availabilityバージョン(同一データを格納するノードによるクラスタ)のみの新機能は次のものがある。
- 外部/内部ネットワークの分離。
- レプリケーションチャネルと管理用ネットワークにSSLを使用。
- ルーティングの無効化が可能。
新バージョンのデータベースは以前のものと互換性があるが,Projection LibraryだけにはDBフォーマット更新用のツールが提供される。新しいデータベースを使用するには,新バージョンの2.0 .NETクライアントAPIの利用が必須である。これはおもに,セキュリティの変更によるものだ。
開発チームでは高可用性クラスタと,電源断を繰り返した時の動作検証を行うテストスイートを用意して,一般向けに公開している。
テストやステージングなどの目的で新機能に早期アクセスできるようにするため,チームはリリースサイクルを変更して,週1回程度のマイナーリリースと,全期間のストレステストを経た新規安定リリースを定期的に行うようにする予定だ。
Event StoreはEvent Sourceのコンセプトに従って開発された永続化エンジンである。今日のほとんどのデータベースとは異なり,現在のステータスではなくイベントがストアされる。.NET上に構築されているが,Windows以外にも,Monoを使用することでLinuxでも動作する。
Event Storeはオープンソースである。三条項BSDライセンスで提供される他,商用ライセンスのオプションもある。最初のリリースは2012年9月だ。