MSBuildツールスイートが独立して,Microsoft C#とVisual Basicコンパイラを含んだパッケージとして再パッケージされる。これまでのように,.NET FrameworkあるいはVisual Studioの一部としてのみの提供ではなくなる。MicrosoftプログラムマネージャのWill Buik氏は,これによって同社が,ツールセットをより迅速にアップデートできるようになる,と述べている。.NET FrameworkやVisual Studioとは独立したアップデートと提供が可能になるからだ。
独立したことによって,MSBuildは今後,新たにMBT(Microsoft Build Tools)と呼ばれるパッケージの一部となる。MBTにはMSBuildの他,Visual BasicとC#のコンパイラが含まれる。パッケージはVisual Studio 2013 Previewに同梱されるが,それ以外にも プレリリースの形式で独立して提供される。VS2013以降,Visual StudioのバージョンとMBTのリリースは同期されるようになる。したがってVS2013ではMSBuild 2013が使用されることになる。VB/C#コンパイラはバージョン12のアセンブリと,バージョン12のツールセットを使用する。MBTの新しいバージョンが現れても,VS2013では指定された特定のバージョンを変わらずに使用する。
Buik氏はこの変更が,.NET Framework 4.5をターゲットとするプロジェクトの,VS2013からVS2012へのラウンドトリップ機能には影響しない,と述べている。MSBuildは以下のロケーションで確認することができる。
32-bit マシン:
C:\Program Files\MSBuild\12.0\bin
64-bit マシン:
C:\Program Files (x86)\MSBuild\12.0\bin (32-bitバイナリ)
C:\Program Files (x86)\MSBuild\12.0\bin\amd64 (64-bitバイナリ)
ちなみに前バージョンのMSBuildは.NET Frameworkと同じ場所,例えば “C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v3.5” に配置されていた。
最終的なライセンスについての詳細は,まだMicrosoftから発表されていない。ただしプレビューパッケージに添付されたライセンスには,同パッケージが2014年1月15日まで使用可能である,と記されている。Microsoftのスポークスマンによれば,MBTの製品版リリースは自由に使用可能で,インストール時にVisual Studioのライセンスを参照する必要はなく,製品リリース版には有効期限も設定されない,ということだ。