OpscodeがEnterprise Chefを発表した。ネットワークやストレージに加えて,Microsoft Windowsの自動設定機能を新たに備える。Private ChefとHosted Chefの後継として,インフラストラクチャ全般に対する設定機能を提供する,Opscodeの新たな主力製品である。対象とするテクノロジの範囲を拡大することによって,同社の継続的デリバリあるいはDevOpsといった,ユーザに関連する他のソリューションとの連携が可能になり,結果としてユーザ製品の市場投入のスピードアップを実現する。
同社開発担当副社長のKevin Smith氏によれば,ChefのDSL(Domain Specific Language)に組み込まれているリソースとプロバイダのユビキタスな実装モデルは,今後も継続されるという。同社の顧客,あるいはChefを囲むオープンソースコミュニティのユーザには,効果的な利用がサポートされることになる。
コンピュータリソースの設定自動化によってこれまで実現されてきた効率性は,協力企業として名を挙げられたプロバイダによって,さらに次のようなドメインへと広がっていくことだろう。
- ネットワーク
- Arista Networks – Arista Extnsible Operating System (EOS)の物理的および仮想ネットワークポートの設定用にChefが組み込まれる。
- Cisco Systems – 同社One Platform Kitのネットワークポート設定用にChefが組み込まれる。Software Maintenance ManagerにもChefが組み込まれて,ソフトウェアアップデート配信に利用される。
- Cumulus Networks – ネットワーク用のフル装備Linux OSであるCumulus Linuxとの連携が実現される。
- Juniper Networks – Juniper OSのネットワーク設定のためにChefが組み込まれる。
- Plexxi – Affinityネットワークの動作と,アプリケーションに対するキャパシティ保証設定のサポートにChefを使用する。
- ストレージ
- Scheberg Philis – NexentaStor ZFSベースのストレージリソース自動化を実現するクックブックで,Scheberg PhillisとChefが連携する。
Opscodeでは現在,Microsoftの新しいPowerShell 4.0 DSC(Desired State Configuration)テクノロジとのインテグレーションを開発中である。Opcode Chefを統合したPowerShell DSCは,TechEd 2013でもデモンストレーションが行われていたが,近日中にはさらに詳細が発表される予定だ。Opscode Chefの最新バージョンでは,新たにWindows Capabilitiesとして,PowerShellやバッチ,レジストリ,サービス機能の自動化が可能になる。
IBMも先日,SmartCloud Orchestrator ContentPackをリリースして,同社SmartCloudとChefの統合機能を拡大している。