Windows Azureがアップデートされた。SQL Server AlwaysOn可用性グループ機能スタックがSQL Server可用性グループリスナを含めて,仮想マシンでサポートされるようになる。AlwaysOnがサポートされたことで,複数の読み取り用セカンダリデータベースの配置が可能になる。これによってSQL Serverの可用性が向上するのは当然だが,さらにBIレポートタスクやバックアップをセカンダリマシンにオフロードすることで,効率面での改善も期待される。
可用性グループリスナのエンドポイントを使用すれば,SQL Serverのデプロイメントに対してひとつのクライアント接続文字列だけで接続することも可能だ。データベースのコネクションは自動的にプライマリレプリカのノードへと振り替えられる。このAlwaysOnサポートは,オンプレミスのSQL Serverソリューションでも使用できる。
今回のアップデートにはさらに,通知ハブのサポートも含まれている。Windows 8, Windows Phone 8, iOS, Androidの各モバイルデバイスに対して,パーソナライズされたクロスプラットフォームのプッシュ通知を簡単に送信できるようになる。通知ハブはWindows Azure Mobile Servicesからも,Azureにホストされないソリューションを保持するモバイルバックエンドからも利用可能だ。
Microsoftの説明によると,Window Azure通知ハブの提供するプッシュ通知インフラストラクチャは,クロスプラットフォームでパーソナライズ可能,しかも.NETやNode.js SDK, あるいは使いやすいREST APIにも対応することで,どのようなバックエンドサーバアプリにも統合が容易な,極めてスケーラブルなものになっているという。さらにデバイストークンの管理もサポートするとともに,タグベースの効率的なマルチキャストや,パブリッシュ/サブスクライブ形式のルーティングも提供する。
先日リリースされたWindows 8とWindows Phone 8用Big Newsアプリの更新版では,数百万のユーザに毎日プッシュ通知を配信する手段として通知ハブが有効に利用されている。Windows 8ではWNS(Windows Notification Service)から,その他のWindowsのバージョンはMPNS(Microsoft Push Notification Service)から,それぞれ適切なチャネルURIを取得することで動作し,それらをWindows Azure通知ハブに登録する。通知ハブを作る上で必要なステップについて知りたいならば,Scott Guthrie氏のブログ記事を読んでみるといいだろう。
前回のアップデートでは,オートスケーリングのサポートが提供された。Webサイトやクラウドサービス,モバイルサービス,仮想マシンの動的スケールが可能になることで,パフォーマンスとコストの理想的なバランスが達成できるようになるというものだ。しかし今回のリリースでは,そのAutoScaleのルールをダッシュボード内からスケジュールすることが可能になる。さらにログを活用することによって,AutoScaleの背後で何が起きたかを知ることもできる。それにはWindows Azure管理ポータルの新しいManagement Servicesノードにある,Operation Logsタブ内をナビゲートすればよい。
最新リリースではWindows Azureロードバランサも更新されている。管理ポータルを使った独自のネットワーク検出の設定が可能になるなど,ネットワーク検出ロジックをカスタマイズできるようになった。
現在Settingsエクステンションの配下におかれているアラートと操作ログは,新しいエクステンションであるManagement Servicesに移動される。さらにSQL Backupの設定変更に加えて,ディスク操作やオートスケール,アラートなどに関する操作履歴データも追加されている。