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VMwareがSDDCに向けたネットワークとストレージ強化の詳細を発表

原文(投稿日:2013/08/28)へのリンク

VMworld 2013のオープニング基調講演でVMwareは,SDDC(Software Defined Data Center)のための新たなネットワーク機能とストレージ機能をローンチした。同社が昨年に提供を約束していた製品だ。

自社のVSphereハイパーバイザを演算(ESX)とストレージ(VSAN)の両方を行うように修正し,さらに 'ネットワークハイパーバイザ' (NSX)をラインアップに追加することによって,VMwareは今回,SDDCに関する約束をどのように実現するかを明らかにした。

'ネットワーク用ハイパーバイザ' には (GSX,ESXという,既存ソフトウェア製品の名称系列に準じて) NSXというブランドが付けられる。SDN(Software Defined Network)とNFV(Network Function Virtualization)を結合したネットワーク仮想化プラットフォームの主なユースケースは,仮想スイッチによるオーバーレイネットワークを構築し,それを仮想マシンの仮想ネットワークインターフェースポートに接続する,というものだ。オーバーレイによって仮想マシン環境は,ベースとなっているネットワークの構成 (そして構成に関する必要性の大部分) から切り離されることになる。

NSXの実装は,仮想ネットワークと物理ネットワークをつなぐものでもある。既存のネットワークハードウェア上でも動作可能だが,SDNインターフェースをサポートするさまざまなパートナの機器を設定するために用いることもできる。その対象にはブランドとして有名なネットワークベンダも含まれている。VMwareが強調するのは,Ciscoなどとの業界を越えたパートナシップだ。しかしながらNSXは,ネットワーク機器のコモディティ化という大きなトレンドの一部であるに過ぎない。ネットワークが(他の仮想アセットのように)vCenterで管理されるようになれば,特定のハードウェアや,それを管理するスキルも不要になるはずだ。

スイッチングやルーティングに加えて,NSXはファイヤウォールやエッジサービス(VPNゲートウェイやロードバランシングなど)も提供する。仮想ネットワークに詳しいアナリストはこれを,データセンタのネットワークにおけるゲームチェンジャになると見ている。ハードウェアベースのネットワークエコシステムに,さらなる波乱を起こす可能性を秘めているというのだ。

VMwareのSDS(Software Defined Storage)戦略は非常に広範だ。そtれを反映して,ストレージに関しては数多くの発表があった。中心となる新機能(現在は公開ベータテスト中)はVSAN(Virtual Storage Area Network)と呼ばれるもので,サーバアレイ上に直接アタッチされたストレージ(フラッシュも従来のものも可)を,VMに対してあたかも通常のSANであるかのように見せることができる。

VSANはVSphere 5.5 Hypervisorの内部に組み込まれる形で実装されている。ただし有効にするには別途ライセンスが必要だ。VSANは 'ネットワークRAID' を使用する。仮想ディスクを多数のサーバにわたって分散することによって,パフォーマンスとレジリエンス(回復力)の向上を図っている。ローンチ時点では,物理サーバ数が3~8台というスケーラビリティ上の制限があるが,将来のバージョンではより大きな規模にも対応する予定だ。

VMwareブランドの仮想ストレージが登場したことは,同じような機能を独自に提供していた(Nutanixなど)VMwareエコシステムの一部に影響を与えるだろう。さらにはVMwareを所有するEMCや,その競合企業であるNetAppが展開する,ハードウェアをベースとしたストレージビジネスにも影響するかも知れない。OCP(Open Compute Project)のようなオープンソースハードウェアによるコンピュータやストレージ,ネットワークのコモディティ化に対して,VMwareはプロプライエタリなハードウェアを使用した価値の構築で対抗しようとしている。しかしながらそのような努力もまた,SDDCの世界におけるOpenStackなどオープンソースからのコモディティ化の脅威にさらされているのだ。

 

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