クラウドベースのIDEを提供しているCodenvyが「インスタント・プロジェクト」というアイデアを取り込んだ。これは開発者が設定済みの環境に即座に参加し、コーディングを始められるようにするものだ。この一時的な環境は認証なしに使うことができ、コミュニティからの支援を求める開発者や技術評価をしている開発者にとって、新たな可能性を開くものだ。
Codenvy – Java/Ruby/JavaScript/PHP/Python開発者向けの人気のあるクラウドベースのIDE – がCodenvy Factoryをリリースした。これにより、開発者はプロジェクトを作成して、そのURLをシェアすることが可能になる。CodenvyのCEOであるTyler Jewell氏は、Factory URLをクリックすると何が起こるのかをこう説明している。
Factoryをクリックすると、そのURLにエンコードされているプロジェクト向けに事前設定された、新しい一時的なワークスペースが作られます。この一時的なワークスペースでは、コーディング、ビルド、テスト、デプロイ、コラボレーションなど、すべての機能が使えます。作業内容はこの一時的なワークスペースに保存されますが、ユーザがアイドル状態になったりブラウザを閉じると、それらは失われます。
Factoryは認証ユーザと非認証ユーザのどちらでも使える。認証ユーザには、プロジェクトを永続的なワークスペースに移すオプションが提供される。非認証ユーザもFactoryを作成してアクセスすることができるが、ワークスペースを永続化したい場合に新規アカウントを作るオプションが提供される。開発者はペアプログラミングの相手を(一時的な)ワークスペースに招待するリンクを生成できるので、コラボレーションはかなり簡単になる。Factoryによるワークスペースには10分のアイドルタイムアウトが設定されており、純粋に一時的な作業をするために用意される。
Codenvy Factoryは、これまであった苦痛をいくつか解決してくれる。第一に、このソリューションはStackOverflowのようなQ&Aサイトでサポートを求めるのを簡単にする。現在、多くの開発者は、コードスニペットをシェアし、助けてくれる同僚がIDEを起動して、プロジェクトを作成し、問題あるコードをテストして、問題を特定してくれることを期待している。Codenvy Factoryのようなソリューションを使えば、開発者はFactory URLをだれかにシェアすることで、簡単にプロジェクトのコンテキストでコードを見てもらい、修正を試してもらうことができる。これはソフトウェアベンダーがパートナーにお手軽に実験してもらうのにも良い方法になるだろう。ベンダーが新しいAPIを作るときには、そのAPIを使うためのワークスペースを作り、ベストプラクティスをデモすることができる。Codenvyは、使い捨てのワークスペース、インテグレーションするコードのシェア、新しい開発者のすばやい立ち上げといったユースケースも挙げている。
同時に、Codenvyはアフィリエイトプログラムについて発表した。これはFactoryをシェアした人に対して、報酬を与えるものだ。アフィリエイトコードを付加することで、ユーザがアカウントをアップグレードしたときに、Codenvy Factoryから報酬を得ることができる。このプログラムは参加無料で、Jewell氏はそのターゲットをこう説明した。
ブロガー、トレーナー、gitプロバイダ、フレームワーク提供者はみな、アフィリエイトコードを使いたいと思うでしょう。自分のFactoryを公開している人は、それを継続しようと思うでしょう。アフィリエイトプログラムは、すでにFactoryを自分のWebサイトにポストしている人が、Factoryを登録してコードを追加することで、Codenvyの売り上げから収益を稼ぐことができる追加のインセンティブです。
Jewell氏はユーザエンゲージメントをトラックしたいISVなどが使えるアフィリエイトツールについて説明した。
Codenvyはアフィリエイトを始めるのに役立つ、しっかりしたリンクツールやリソース一式を提供します。アフィリエイトには、各種トラッキングフック、エンコードされたURL、リンクのためのエレガントなグラフィックデザインレイアウト、サイトの見栄えに合わせた複数のスタイルが利用できます。
次は何だろうか? Codenvyは、利用ポリシー、パラメータ化されたFactory、分析といった、Factoryの機能拡張を計画している。また、最近SDKのアルファ版を出荷しており、コミュニティはCodenvy IDEに言語やフレームワークを追加することができる。