クラウドベースのモバイルアプリ開発プラットフォームであるIceniumが,新たにVisual Studioエクステンションを伴ってアップデートされた。IDEから直接Iceniumモバイル開発ツールを活用することで,.NET開発者がiOSやAndroid用のクロスプラットフォームアプリを迅速に開発できるようになる。
エクステンションによって,Visual StudioあるいはクラウドベースのApache Cordova内でビルドしたiOSあるいはAndroid用アプリから,それぞれのデバイスシミュレータへのアクセスも可能になる。さらにjQueryモバイルやTelerik Kendo UIを使用したクロスプラットフォームのIceniumモバイルプロジェクトの新規作成,モバイルアプリのセッティング,独自のcordovaプラグインの管理や設定なども可能だ。
TFS(Team Foundation Server)やSVN(Subversion)などソース管理プロバイダの利用や,Iceniumを自分たちの開発ワークフローに組み込んだりすることも,エクステンションによって可能になる。
InfoQではIcenium用Visual Studioエクステンションについてより深く理解するため,Telerikでクロスプラットフォームツールとサービス部門のプログラム管理リーダを務めるBrandon Satrom氏に,短い時間ではあるが話を聞いた。
InfoQ: Visual StudioにIceniumを統合することの本当の狙いは何でしょうか?
Iceniumにはハイブリッドなモバイルアプリ開発に不可欠な優れたサービス(シミュレータ,デバッグ,クラウドビルド,サービスのパッケージングなど)があります。IceniumとVisual Stduioを統合することによって,Visual StudioをIDEとして使用しながら,これらのサービスを活用するハイブリッドモバイルアプリの構築が可能になるのです。
InfoQ: TFSに統合することによるメリットについて説明して頂けますか?
SVNやTFSといった付加的なソース管理システムをサポートすることで,ユーザの既存インフラストラクチャ内で当社のツールを活用できるようになります。TFSやSVNの使用が義務付けられている開発環境であっても,Iceniumならば,例外的な設定を必要とせずにフィットするはずです。
InfoQ: それでは,Cordova 3.0と共に使用することのメリットは何でしょう,詳しく説明して頂けますか?
最新バージョンのCordovaをサポートすることによって,Iceniumは最高のハイブリッドモバイル開発のサポートを継続します。当社の言うサポートとは,このオープンソースプロジェクトが提供するストリームラインAPIや,あるいは再設計されたプラグインサポートといった最新かつ最良のサービスを,開発者が安心して利用することができる,という意味です。後者については,独自のCordovaプラグインをIceniumに格納するプロセスが簡単になるという意味で,Iceniumユーザにとってもメリットがあります。
InfoQ:Visual Studioを使ってiOSやAndroidアプリを開発している開発者の数はどれ位なのでしょうか?
開発者数は分かりませんが,ユーザからリクエストされる機能の第1位は,Iceniumをリリースした当初からVisual Studioのサポートでした。ですから,かなりの数のVisual Studio開発者がモバイルアプリを開発していることは間違いありません。