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Josh Clark氏、モバイルインターフェイスの将来について語る

原文(投稿日:2013/09/13)へのリンク

タッチ操作可能なスマートフォンやタブレットの登場によって、これまでにない、まったく新しいUIのカテゴリーが生まれた。デザイナーや開発者はすぐれたユーザエクスペリエンスを提供しようと、どんなクライアントがリクエストしているのか、どのようにコンテンツをフォーマットすればよいのか、CSSメディアクエリを使ってヒントを得ようとしてきた。ところが今や、小さなスクリーンのタッチ操作可能なデバイス以外にも、新たなテクノロジーがもう私たちの目の前に迫ってきている。「モノのインターネット(Internet of Things)」により、アウトプット時には今後登場するであろう多種多様なデバイスを考慮し、インプット時には音声やジェスチャーといったナチュラルユーザインターフェイスを解釈する必要が出てくる。

InfoQでは、ユーザインターフェイスデザインに関するコンサルタントでTapworthy: Designing Great iPhone Apps(訳書『iPhoneアプリ設計の極意 ℃vわずタップしたくなるアプリのデザイン』)の著者、Josh Clark氏と話す機会を得た。Josh氏は世界中のカンファレンスにひっぱりだこで、インターフェイスデザインにおける現在そして将来の課題に関する洞察を与えてくれる。

InfoQ: こんにちは。まずは読者に向けて自己紹介をお願いします。

 

Josh: 私はデザイナーで、モバイルストラテジーとユーザエクスペリエンスを専門としています。私が「モバイル」と言うときには、単なる携帯電話のことを言っているわけではありません。実際には、マルチプラットフォームのストラテジーやエクスペリエンスのことを言っています。現在、私たちは様々なスクリーンやプラットフォームに直面していますが、どうすれば素晴しいデジタルエクスペリエンスを設計できるのでしょうか? 私はTapworthy: Designing Great iPhone Appsを含めた3冊の本を執筆してきました。また、AOL、Time Inc、eBayといったクライアントを抱えています。デザインコンサルティング、ストラテジーコンサルティング、トレーニングを通して、私は彼らの持つ様々なプラットフォームを最もうまく活用できるよう手助けしてきました。そのことについて、これからお話します。

 

InfoQ: 次世代のモバイルインターフェイスについて語ってもらう前に、そもそも良いインターフェイスとは何か、ユーザと開発者にとって何を意味するのか、もう少し詳しく説明してもらえますか。あなたから見て、今、最先端にあるのは何でしょうか?

Josh: そうですね、素晴しいインターフェイスとは、気付くことすらないインターフェイスじゃないでしょうか? インターフェイスデザインというのは、ユーザに苦労させず、見えなくすることだと思います。注目すべきは、インターフェイスではなくコンテンツです。インターフェイスを目的として、Webサイトにアクセスしたり、アプリケーションを使う人はいないでしょう。まあ、インターフェイスを調べるのが大好きなオタクやデザイナーもいますが、彼らはこの業界に関心があって、インターフェイスを「収集」している特殊な人たちです。大部分の人は、何かをするためにアプリケーションを使います。ですから、最高のインターフェイスというのは、するべきことをしたら、あとは脇にどくだけです。タッチがもたらしたことの1つは、コンテンツに直接ふれているような錯覚を生み出したことだと思います。タッチはこの30年間取り入れられてきたビジュアルインターフェイス、すなわちGUIという認知的混乱をもたらすおそれのある層を取り除きました。GUIを使うには、情報との間に置かれたビジュアルメタファについて理解する必要があります。これはこれで良いアイデアでしたが、今や私たちにはタッチインターフェイスがあります。これはまるで物理的オブジェクトであるかのように、コンテンツを実際に操作しているような錯覚を与えてくれます。引っぱったり、動かしたり、押し出したり。タッチはこれまでのやり方を一変させました。私たちは作るべきインターフェイスを見直す必要があります。その方法も変わります。私たちは消費者として使うのです。ただし、このタッチインターフェイスも、私たちが新たに手に入れたインプットの最初の1つにすぎません。他にもたくさんあります。音声もタッチのように、やがて成熟したものになるでしょう。AppleはSiriをベータだと言っていますが、実際のところまだそうですね。Kinectやこの夏ローンチするLeap Motionなどを使ったジェスチャー操作も出てきています。ご存知のように、どちらも腕や体を動かして、マシンとコミュニケーションをとるものです。これらはまだ成熟したと言うには早すぎるでしょう。音声もそうですが、Kinectを使って原子力発電所を運用したいとは思いませんよね。

 

でも、これらはもう間近にあり、すでに準備は整っています。重要なことは、音声やジェスチャー、顔認識、カメラビジョンといったものは、もうすでに私たちの手元にあるということです。私たちが毎日ポケットに入れているデバイスに組み込まれているのです。携帯電話やリビングルームの中、ゲーム機の中に。Xboxを持っている人の多くは、Kinectも持っています。これらはノートパソコンにも入っていくでしょう。たとえば、ノートパソコンメーカーのAsusは、今年後半のノートパソコンすべてにLeap Motionデバイスを搭載すると言っています。つまり、今後、一般消費者向けのノートパソコンにはジェスチャー操作が組み込まれるということです。Microsoftもディスプレイやノートパソコンに新しいKinectを埋め込んだり、つなげたりしています。すでに彼らの研究所は、KinectでWindowsを操作するためのWindows APIを用意しています。これらは間近にあるのではなく、もう今年、実際に起こっていることです。つまり、これまで私たちを消耗させてきた「ソフトウェアを様々な画面サイズにどのようにして対応させるか」という課題だけではなくなったということです。「任意のインプットに対応したソフトウェアをどのように作るのか」という課題についても考え始めなくてはなりません。これまで私たちはキーボードとマウスのためのインターフェイスを設計してきましたが、ここに新たにタッチが登場しました。今後はさらに、ジェスチャー、顔認識、音声、ペン、手書きなど、様々なインプットとアウトプットに対してうまく機能する、素晴しくて快適なインターフェイスを作らなくてはなりません。これは大きな課題です。でも、うまくいけば、ユーザにとって大きな見返りがあるでしょう。

 

InfoQ: では、次世代のレスポンシブデザインにはインプットも含まれるということでしょうか?

Josh: その通りです。3年ほど前にレスポンシブデザインが登場して、私たちは大きな衝撃を受けました。ところが実のところ、ずっとそうだったのです。つまり、Webにとって1つの真のアウトプットというのは存在しなかったのです。1つの固定サイズというのは存在しないのです。これまでもずっとそうだったのですが、モバイルへの転換がそれを表面化させました。その後わかってきたことは、Webにとって1つの真のインプットもまた存在しないということです。私たちは「ああ、それはキーボードとマウス用だね、タッチ用には別のエクスペリエンスを作ればいいや」と思いがちです。ところが、繰り返しになりますが、こうしたデバイスが主流になるにつれ、同時に様々なインプット向けに設計する必要があることがわかってきました。レスポンシブWebデザインにとって、これは興味深いことです。私たちはタッチスクリーンを検出する代わりに、スクリーンサイズなどを使ってきました。これはもともと良い考えとは言えなかったのですが、今やひどい考えになってきています。別の言葉で言うと、「ああ、スクリーンが小さいから、これはタッチスクリーンに違いない」、「デスクトップサイズだから、キーボードとマウスがあるに違いない」と決め付けていたのです。でも実際には、ノートPCやウルトラブックにもタッチスクリーンが搭載されはじめています。今や18インチのタブレットなんてものもあるのです。したがって、もはやスクリーンサイズは助けにはなりません。このサイズはマウス向けに、このサイズはタッチ向けに設計しなきゃ、というのは、だんだん間違った考えになってきたのです。これはレスポンシブデザインにとっての変化だと思います。私の結論は、すべてのスクリーンサイズ、すべての「デスクトップデザイン」は今や、タッチ向けにも設計されている必要がある、ということです。

 

InfoQ: 確かに、レスポンシブデザインがサイズにフォーカスしすぎているのは問題ですね。この数週間、レスポンシブデザインに取り組んだのですが、実際にクライアントについて知る必要があったのは、サイズではなくて能力についてでした。最新のNexusタブレットでアクセスすると、デスクトップでは経験したことのないピクセルサイズが検出されます。もはや、このやり方ではうまくデバイスを判別できませんね。

Josh: そうです。スクリーンのサイズや向きより役に立つことを教えてくれるメディアクエリも見かけるようになってきました。これらの多くは、まだJavaScriptでは検出が困難です。もちろん、JavaScriptでタッチイベントを検出することは可能ですが、おかしなことに、すべてのタッチスクリーンブラウザにタッチイベントがあるわけではありません。そのため、これでは明確になりません。またMicrosoft Surfaceのような興味深いデバイスもあります。キーボードをアタッチすると、タッチとトラックパッドの両方が使えるのです。ユーザがこの2つを行ったり来たりする場合、何向けに設計すればよいのでしょうか? 私は最小公分母向けに設計する必要があると思います。この場合は、粗いポインタ、つまり「指」にです。

 

InfoQ: ナチュラルインターフェイスについてですが、プライバシーに課題があるとは思いませんか? たとえばSiriがありますが、実際のところ、そんなに使いません。プロジェクターを搭載したスマートフォンのプロトタイプやモックアップをご覧になったことがあると思います。画面が隣りの壁に投影されるというやつです。インターフェイスがデバイスから離れれば離れるほど、私はプライバシーが失われるように思います。

Josh: 確かにそうですね。通常、携帯電話やノートPCとのインタラクションというのは、非常に私的なもの、非常にプライベートなものになります。このとき、私たちとデバイスとの間には、非常に緊密な視覚的インタラクショントンネルができています。昔は本や雑誌のような個人情報ツールのようなものがそうでした。あなたが本で読んでいる内容をだれか知っていますか? たとえ公共スペースでも、あなたは何でも読むことができます。非常にプライベートなインタラクションです。ところが、ナチュラルジェスチャーや音声、顔認識の利用を考えると、お互い人間として、どのようにコミュニケーションすればよいか、という領域に入り込んできます。たとえユーザインターフェイスが未成熟であっても、こうしたインプットが技術的に成熟してくると、なかなか興味深いものになっていきます。これはまさに他人とのコミュニケーションです。機械がタッチ、音声、ジェスチャー、顔認識を理解し始めたということです。公共スペースで他人と会話するとき、私たちはプライバシーに配慮する必要があります。公共スペースで機械と会話するときも、同じことが起こるでしょう。これをうまくやるには、社会慣習の適応が必要です。歩きながら携帯電話のヘッドセットを使っている人を初めて見たときのことを思い出してみましょう。自分に話しかけているのかなと思ったり、正気ではなくて独り言を言っているように思ったはずです。でも今はどうでしょう。まったく普通に思えるようになりました。それが普通になったわけです。ですから、デバイスに向かってジェスチャーしたり話しかけるのも、初めのうちは奇妙に感じるでしょうが、社会慣習がそれに適応して、やがておかしく感じなくなると思います。

 

InfoQ: それにはどれくらいかかると思いますか?

Josh: そこに説得力と有用性があれば、すぐにそうなると思います。もうすぐでしょう。Siriは今のところ、電話に話しかけて個人情報をやりとりするという、社会的な不恰好さを克服できるほど、有用だとは言えません。これはまだまだだと思います。でも、すばらしいインタラクションと非常に説得力のあることができるようになれば、ごく自然なことに思えてくるでしょう。タブレットを使って写真を撮る人を見かけたことがあるでしょう。これは風変わりで不恰好ですが、それだけ有用だということです。もし役に立たなければ、だれもそんなことはしないでしょう。

 

InfoQ: 最後に、iPhoneやAndroidデバイスのアプリケーションで「ワォ、これは実に斬新なアイデアだ、すごいユーザエクスペリエンスだ」と思ったものはありますか? このタイプのインターフェイスは6年後もあり得るでしょうか? 新しいタイプのインターフェイスに向けて技術的ステップが必要でしょうか?

Josh: 今あるデバイスでやれること、検討すべきことは、まだまだたくさんあると思います。ほぼ毎日、だれかが電話やタブレットを使って新しいこと、まるで魔法のようなこと、いうなれば、新しいサイエンスを生み出しているのを見かけます。非常に説得力のあるものというのは、これまでとは違ったやり方でオンボードセンサーを使ったものだと思っています。たとえば、TableDrumというドラムマシンアプリがあります。App Storeには楽器やドラム音を選んで、タッチスクリーンでリズムを奏でるようなアプリがたくさんあります。TableDrumもその1つですが、タッチスクリーンを叩くわけではありません。デバイスを脇に置いて、暇なときにやるように、目の前のテーブルにある違う音が出るモノを叩くことで、リズムを奏でるのです。コーヒカップなどテーブルにあるものなら何でも構いません。このアプリはモノを叩いたときの音を聞いて、ドラムに関連付けることができます。そして携帯電話を通して、それをドラムマシンのサウンドとして出力するのです。これの興味深いところは、インタラクションの場をスクリーンから身の回りの環境へと移しているところです。ロジックはすべて携帯電話の中で発生しますが、インタラクションは別のところで発生します。このとき、携帯電話はただのスピーカーのように振る舞います。このことは私たちに考えさせます。「おお、センサーを使って身の回りの環境で起こっていることを検出し、ユーザの振る舞いに応じて何かをすることができるんだ」。もはや、スクリーンに没頭する必要はありません。光りを放つ小さな四角の物体にただ向かい合うような、非社会的な振る舞いをする必要はないのです。ここには多くのチャンスがあると思います。たとえば、Word Lensのような、カメラとAR(拡張現実感)の活用があります。ご存じのように、これはある言語で書かれたテキストにカメラを向けると、その画面内のその場所に、別の言語で書かれたテキストを描画します。いうなれば、ライブの翻訳マシンです。実際に使ってみると、まるで魔法のように感じます。このように、モノをカスタムのセンサーと組み合わせることは、実にエキサイティングだと思います。実際、センサーとインターネット接続を追加するのは簡単で安価になっていて、ほとんど何にでもつけられます。Proteusという医療機器メーカーは、患者がいつ飲んだのかを教えてくれる薬を開発しています。これは医者や介護者にとってすばらしいことで、患者がきちんと薬を飲んでいるかを知るのに役立ちます。ここで使われているセンサーは錠剤に入れられるほどの砂粒サイズです。その成分はビタミン、マグネシウムとわずかな銅、に見られるのとまったく同じです。飲み込んだ薬が胃に到達すると、胃酸がバッテリとしてそれを活性化させ、薬を特定する情報を含んだ微弱な信号を送ります。胃の上には、この信号を検出するパッチを貼っておきます。このパッチにはBluetoothが組み込まれており、あなたの携帯電話に情報を伝えます。そして携帯電話はその情報をインターネットや医者へ転送します。これは驚くべきことです。このように物理的世界がデジタルになる可能性、いわゆる「モノのインターネット(Internet of Things)」について考えるようになってきています。ポケットに入れて持ち運べる最新のコンピュータ、携帯電話やタブレットを使って、まったく新しい方法で情報を収集し、物理的世界とコミュニケーションするのには、ありとあらゆる方法があります。この5、6年の課題は、デジタル世界がもっとフィジカルになるのをどのように扱うかだと思っています。これまでやってきたことはモノにデジタルインターフェイスを貼り付けるようなことで、課題はそうしたインタラクションのフィジカル性を扱うことでした。しかし今や、私たちは興味深いものを手に入れました。物理的世界がもっとデジタルになっているのです。私たちはいかに設計すればよいのでしょうか、もっと説得力のあるやり方で物理的世界とコミュニケーションできるセンサーのために ...

 

InfoQ: スタートレックの世界の話みたいですね ...

Josh: その通りです! 実際、私たちはずっとこう話してきました。「きっと将来は、こうなるんだろうね。こんなことやあんなことができるんだろうね」。でも今や、私たちはそれを手に入れているのです! しかも、ただ可能なだけでなくて、手頃な価格で。多くの人が、こうした能力を備えたスマートフォンを持っています。センサー、GPS、オーディオ、ビデオ、初めて見たときには魔法のように見えたものを。Shazamを初めて見たときのことを覚えていますか? このアプリは歌を聴いて、何の歌か教えてくれました。「一体どうなってるんだ、すごいぞ!」 それこそ、私たちが継続しなくてはならないことです。限界に挑むのです。こうしたデバイスが収集できる情報を集め、それを使ってパワフルなことをするのです。

 

InfoQ: この数日、数週間で、スマートウォッチについていろいろなニュースがありました。Microsoftが取り組んでいるようですし、Appleも計画しているようです、少なくとも噂では。本当にスマートウォッチと言えるものになると思いますか? それとも、ある種のインターフェイス拡張にすぎないのでしょうか?

Josh: そうですね、多くの人がそれをインターフェイス拡張のようなものとして話していると思います。たとえば、Pebble Watchのように、携帯電話の画面を提供するようなものです。でも、まだわかりません。こうしたものは、明らかにオタクやマニアのコミュニティの興味を引くでしょう。何が起こるのか見てみましょう。あなたの言う通り、噂にすぎません。私は、あらゆるものがインターネットにつなげられるし、インターネットにつながっていくと思っています。多少役に立つ対話型の外見になるものもあるでしょう。でも、非常にかしこいインターフェイスとは言えないけれども、本当に実用性のある小さなインターフェイスをたくさん目にしています。Nike Fuelbandなどは、一日の動きや行動をトラックするのに役立ちます。これらは控えめなインターフェイスですが、重要なことは、他のデバイスとおしゃべりして、データを転送できることです。これによって、別のところでもっとリッチなエクスペリエンスが得られるのです。スマートウォッチを目にするのは間違いありません。問題はそれが何なのかです。スマートウォッチは本格的なスマートフォンの置き換えになるでしょうか。おそらく、そうなるでしょう。そこには解決すべき技術的問題がたくさんあると思います。でも、多少やりとりは制限されるでしょうが、各種コンテンツを生成、消費できるスマートデバイスを、これからどんどん目にするでしょう。思うに、本当に興味深い問題は「スマートウォッチでWebサイトはどう見えるのか?」、「Nike Fuelbandの10のLED文字でどう見えるのか?」、「どうすれば任意のデバイスにコンテンツを送信できるようになるか?」といったことです。レスポンシブWebデザインによって、私たちの業界は、すばらしいWebエクスペリエンスを様々なサイズの四角形向けに設計し、ユーザに届けるコツをつかんできました。でも私たちは今や「こんにちは、Google Glassです!」といった新しいものを目にしています。そこでのWebエクスペリエンスがどうあるべきか、私にはまだわかりません。私たちはこうした驚きを予測しなくてはなりません。これはデザインとインタラクションの観点から、実に難題です。予測することによってデザインができる、と言っているわけではありません。むしろ、私たちはどうすれば、水のようにどんな入れ物にも注ぐことができるような、フレキシブルなコンテンツを用意できるのでしょうか?

 

InfoQ: それは大きな課題ですね。近い将来登場するであろう無数のデバイスに、何とかして対応しなくてはいけませんね ...

Josh: そうです。コンテンツストラテジストとデータベース設計者はずっと「もっと構造化されたデータが必要だ、もっと構造化されたデータが!」と叫んできました。でも、これらは無視されてきました。なぜなら、根拠のない多大な労力、あるいは、見返りがよくわからない多大な労力に見えたためです。確かにそれは明確ではありませんでした。ところが今や、その見返りは明確になってきています。iPhoneから始まり、それに続くものすべて、非常に巨大なメインストリームにおけるモバイルの登場は、多くの企業にとってまさしく危機だったと思います。でも、それは危機であると同様に、チャンスでもあります。携帯電話やタブレットのことしか話していないなら、モバイルというのは氷山の一角にすぎません。あなたの言うようなスマートウォッチやGoogle Glassといったデバイスを手に入れると、ほぼ準備完了です。帰って、家を掃除して、コンテンツを整理して、デザインプロセスを考え出すチャンスです。私たちはこれを成し遂げる必要があります。

 

Josh Clark氏: Global Moxieの創業者。モバイルデザインストラテジーおよびユーザエクスペリエンスを専門とするデザイナー。フレンドリーなインターフェイスを構築していないときは、それについて執筆している。著書とブログでは、人間味のあるソフトウェア、かしこいデザイン、クリエイティブなプロセスを探求している。Tapworthy: Designing Great iPhone Apps (O'Reilly, 2010)を含む4冊の本を執筆。これらはすべて、仕事をより簡単に、より美しく、よりすばらしいものにするために、技術を役立てる手助けをすることを目的としている。

国際的な技術カンファレンスの常連で、モバイルストラテジーと携帯電話、タブレット、その他新しいデバイス向けのデザインに関する洞察を世の中に広めている。

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