クラウドストレージプロバイダのNirvanixが事業停止を発表した。同社サイトのフロントページには現在,次のように表示されている:
他のストレージプロバイダへのユーザファイル移行に与えられた猶予がわずか数週間であることは,クラウドストレージサービス(あるいはクラウドサービス全般),特に小規模なスタートアッププロバイダが提供するサービスを利用するという判断に,今後疑問を呈することになりそうだ。Nirvanixはベンチャキャピタルから総額で7,000万ドルという潤沢な資金を得ている。直近では2012年5月に2,500万ドルを獲得している。クラウドコメンテータのBen Kepes氏は今回の件について,より詳細な調査を励起するものだ,と反論する一方で,Nirvanixが多くの精査をパスしていることも認めている。
クラウドストレージは利益率の高いビジネスだ。CloudCamp Londonにおける先日のプレゼンテーションでは,EduserveのMatt Johnson氏が,一般的にストレージデバイスの機材およびランニングコストに対して3倍以上の価格が設定されている,という説明を行った。Nirvanixにもセールスやマーケティング活動に伴うコストは必要だという事情はあるが,Joe Weinman氏がCloundnomicsで指摘している内容が,クラウドサービスプロバイダを社内システムよりも高価なものにする原因かも知れない。
以前のホームページに次のようなコメントが掲載された10月1日時点で,Nirvanixが資金不足に陥っていたことは明らかだった。
事業停止の最初の徴候は9月17日,データを他所に移行するための猶予期間が2週間であることを伝えるEメールだった。その期限は現在,10月15日まで延長されているが,当初はWebサイトが変更されず,現在のサービス終了メッセージに置き換えられたのは9月27日のことだ。
英国をベースに事業を行うAorta Cloudが,新たな資金調達と業務提携(IBMを含む)を組み合わせたNirvanixの救済プランの取りまとめを試みているが,9月25日以降の更新はない。