ApportableはiOS開発者がAndroid向けソフトウェアを配布する可能性をもたらす。Apportable SDKとコマンドラインツールを使うことで、プログラマはObjective-Cのコードに大きく手を加えることなく、アプリをクロスコンパイルすることができる。また、Apportableはアプリ変換サービスも提供する。すでに変換されたアプリには、Osmos (iOS version)やBjörkのマルチメディアアプリBiophilia (iOS version)といったよく知られたタイトルもある。
シンプルなコマンドラインツールを使って既存のObjective-Cソースをクロスコンパイルするだけでなく、 ApportableはAndroid固有の機能へのアクセスも許している。たとえばUIKit拡張は、ハードウェアボタン、異なる画面解像度、デイバスハードウェア情報やAndroidバージョン情報をサポートする。
ApportableにはBridgeKitも含まれている。このライブラリを使うことで、開発者はアプリにJavaクラスを追加して、Androidネイティブ機能にアクセスすることができる。Javaクラスはラッパーオブジェクト経由でObjective-Cからアクセスでき、JavaとObjective-C間のプリミティブデータ型を交換することができる。また、Javaクラスによって呼び出させるObjective-Cクラスのコールバックメソッドを定義することもできる。
ApportableはXcode 5用SDKの最初のバージョンをリリースしているが、公式にサポートされているXcodeのバージョンはまだ4.6.3だ。ソフトウェアプロジェクトがXcode 5でクロスコンパイルできない場合に備え、Apportableはバージョン4.6.3へのダウングレード方法や、Xcodeのバージョンを切り替える方法について説明している。
Apportableには4つのライセンスレベルがあり、フリーライセンスでは、OpenAL、CoreFoundation、CoreGraphicsといったコアフレームワークに基づいたアプリを変換することができる。もとのアプリで使われているフレームワークと必要なサポートレベルによって、開発者1人1年当たり$1.000と$15.000のライセンスがある。また、エンタープライズライセンスとして特別割引もある。