Pivotalは本日，Pivotal CFとPivotal Oneサービスの提供を開始すると発表した。
Pivotal CFは，オープンソースであるCloud Foundryクラウドプラットフォーム環境の上に構築された有償のプロダクトである。既存ハードウェアでの立ち上げ，OpenStackやAmazon EC2などのインフラストラクチャ上のパブリックあるいはプライベートな仮想マシン上での実行，さらにはVMwareのvSphere仮想マシン上で直接使用することも可能だ。Herokuで動作するアプリケーションの大部分は，両プラットフォーム間で互換性のあるビルドパックを使用することにより，Cloud Foundryでも使用することができる。プログラムのコントロールと配信のAPIに共通性を持たせることで，ベンダへのロックインや，特定のプラットフォームAPIに縛られるようなこともなくなる。
Cloud Foundryは2011年4月，オープンソースのPaaS(Platform as a Service)としてVMwareがローンチしたものだ。2012年4月には，分散型インフラストラクチャで動作するCloud Foundryプラットフォーム上で，ユーザとDevOpsがアプリケーションを管理するBOSHツールチェインが，オープンソースとしてリリースされている。プラットフォームの改良を継続するためにPivotalは2013年4月，これらをVMwareとEMCとのジョイントベンチャへと拡大した。Cloud Foundryは英国のComic Relief(チャリティ団体)で採用され，単一ベンダへのロックインを回避しながら，寄付募集を目的としたスケーラブルなソリューションを提供している。
Pivotal CFはVMwareの仮想プロダクトであるvSphereの機能を活用できるように設計されているので，vSphereに興味を持つ企業にとっては，仮想プラットフォームのメリットを享受する手段となる。
有償のプロダクト以外にも，Pivotal HD (Pivotalプラットフォーム用に拡張性を備えたApache Hadoopパッケージ)やPivotal AX (エンタープライズレベルの分析および計装パッケージ)など，一連のサービスが用意されている。オープンソースのメッセージブローカであるRabbitMQやMySQLをベースとしたサービスもある。
Pivotalではさらに，Cloud Foundryを管理するためのコードをGoアプリケーションとして開発中である。その中には先頃Goで完全に書き直されたコマンドラインインターフェースも含まれている。ブログ記事では：
ところで，高度な並列処理アプリケーション用に設計された言語として，Golangの人気が高まっています。Cloud Foundryでも，いくつかのコンポーネントがGoで記述されています。ルータや分散ログシステム，状態管理，さらに開発中のものもあります。私たちにとってGoは既知の言語である上に，クロスコンパイルによるバイナリ生成が可能という大きなメリットもありますから，まさにパーフェクトマッチです！
Pivotal CFでは企業ユーザを対象に，既存あるいは仮想化ハードウェア上に分散クラウドを立ち上げるためのサポートモデルとテスト，設定済のサービスセットの提供を目標としている。