組織は従業員を通して学習する。アジャイルなやり方を仕事に導入するには、組織は従業員の自己啓発をサポートする必要がある。
Dave Moran氏は「Become a Learning Organization, Not a Copycat」というブログ記事で、アジャイルをサポートするには学習する組織を作る必要があると述べた。
Peter Senge氏が「The Fifth Discipline: The Art & Practice of The Learning Organization」(邦訳『学習する組織――システム思考で未来を創造する』)で指摘しているように、学習する組織にいる人にはある性質があります。学習する組織にいる人の重要な特性とは、自己マスタリーを追い求めていること – 「特別なレベルの熟達」を得ようと努力していることです。
学習する組織では、人々が継続的に学習し、自己研鑽に励んでいる。
学習する組織を育むためには、マネジメントが知識を横展開することを促すことにより、学習をサポートすることが重要です。トヨタはこれをヨコテンと呼んでいます。そして、その基本ルールの1つが、「何か新しいことを学んだり、改善方法を発見した人には、その知識を共有する責任がある」というものです。
Anders Ivarsson氏はSpotifyにおける自己啓発について書いている。従業員にキャリア機会を提供するため、Spotifyは「アドオン」というものを作っているそうだ。
アドオンとは、新しいスキルや普段の役割以外の責務を探求するための手段です。キャリアをある役割から別の役割へと進んでいく階段のように考えるのではなく、普段の役割に長期的あるいは短期的に追加できる、スキルや責務範囲のタグが集まったタグクラウドのように考えるのです。
個人とSpotifyの両方に役立つアドオンの例として、スピーカーアドオンがあります。スピーカーアドオンを持っている人は、時間の一部を世界中で開かれるカンファレンスのプレゼンに費やせます。また、スピーカーとしてのトレーニングを受けることで、スピーキングスキルを磨き、さらにSpotifyの代表として話すことができます。こうして、スピーキングはあなたの責務の一部となり、普段の責務に加えて、それをやることになります。
Simon Cromarty氏は人材育成と投資に関するブログ記事で、Red Gateにおける自己啓発とキャリアアップのマニフェストについて共有している。
私たちは以下のことを信じています。
- 継続的啓発は、全員にとって良いことであり、必要なことです
- 人は皆、違っています
- たった1つの「キャリアパス」はありません
- 肩書きは答えではありません
- 「進行方向」が重要です
- 自己啓発は共同努力です
- もし役割に不慣れなら、基本に徹しましょう
これら7項目について、詳しくは自己啓発マニフェストに説明されている。
Ryan Olivett氏は「Developing a Learning Culture: Intro to the Personal A3 Template」で、自己学習のためのA3テンプレートについて説明した。このテンプレートはトヨタのA3問題解決に基づいており、従業員が自分のものとして自己啓発するという、学習するカルチャーを築くのに使うことができる。
従業員は個人のA3レポートを作ります。これは、キャリア改善行動を記録・計画するためのキャリアロードマップを作るにあたり、自分の強みと情熱について戦略的に考えるのに役立ちます。最終的には、従業員が継続的に自己のスキルを改善するよう促します。従業員は、プロセスを手助けしてフィードバックを与えてくれる、メンターとパートナーを選びます。
学習する組織になるために、あなたの組織は何か自己啓発のサポートをしているだろうか?