MicrosoftのTypeScriptは,大規模なJavaScriptアプリケーション開発を容易にすると同時に,現代的なツーリングのメリットを提供すべく設計されたオープンソース言語だ。次期1.0リリースの最新RC(Release Candidate)では,前回の0.95エディションから言語仕様の変更がいくつか行われている。もっとも大きな変化はGenericsの操作が新しくなったことだ。開発チームは“any”キーワードの動作を変更したが,これはインターフェースとサブクラスの生成時に実行される型チェックを簡略化する目的で行われたものだ。
この変更は,Generic型の処理方法に関する他の変更とも合わせて,“fully-typed generic promise typings”などといったシナリオの処理時にメリットがある。もうひとつの重要な変更は,TypeScriptにバンドルされているlib.d.ts
ライブラリファイルがアップデートされて,タッチ操作とWebGLをサポートしたことだ。
今回のリリース全体に対するフィードバックは肯定的なものだ。ただしRC版であるので,相応なリスクを想定する意思のない限り,稼働中の重要システムにはインストールすべきではない。アーリーアダプタからは,まだ修正を必要とするバグの存在がいくつか報告されている。
TypeScript 1.0RCはUpdate 2を通じてアクセスする以外に,独立したツールとしてダウンロードして使用することもできる。プロジェクトの全ソースコードはCodeplexに管理されている。Visual Studio以外にもEclipseやSublime用のサポートを利用したり,一般的なテキストエディタを使用することも可能だ。