MicrosoftはWindows Management Framework V5 Preview (WMF)が利用できるようになったことを発表した。これには、yumやapt-getのようなWindows PowerShell OneGetというパッケージマネージャ、ネットワークスイッチを管理するコマンドレットのセット、改善されたWindows PowerShell Desired State Configuration (DSC)が含まれている。
Windows PowerShell OneGetはWindowsプラットフォームの穴を埋める。つまり、パッケージ管理ソリューションの不在だ。yumやapt-getなどLinuxプラットフォームにある仕組みと同等の機能を提供する。OneGetは異なる複数のパッケージリポジトリをサポートする予定だが、現在はChocolateyだけをサポートしている。Chocolateyはコミュニティベースのパッケージ管理システムでNuGet上で構成されている。利用できるパッケージは大量にある。Git、NodeJS、7-Zipなどの人気のソフトウエアだ。Boe Prox氏はOneGetで使えるコマンドレットを説明しながら、使い方を説明している。
ネットワークスイッチ管理のための新しいコマンドレットはソフトウエア定義ネットワークの作成に利用できる。現在注目を集めている分野だ。他にもVLAN、イーサネットポート、ポートモードの自動化やL2レイヤの機能がある。いずれの機能もすでに利用できるPowerShellのCIMコマンドレットで構築されている。PowerShellベースのネットワークスイッチ管理は、Windowsプラットフォームでソフトウエア定義ネットワークをサポートするための努力の一環だ。これはMicrosoftのDatacenter Abstraction Layer (DAL)運動のひとつの動きで、"データセンターのすべてのリソースの共通の抽象"を提供するのが目的だ。Distributed Management Task Force (DMTF)のコンテキストで標準を定義することも目的に含まれている。つまり、Certified for Windowsプログラムにパスしたネットワークスイッチだけがネットワークスイッチコマンドレットで自動化できるということだ。Microsoftはこの動きをArista、Cisco、Huaweiのようなネットワークスイッチプロバイダと協力して進めている。
PowerShell DSCは安定し、性能が改善した。これらの改善は12月以来の50のDSCリソースのリリースを補完する。今回の発表を書いたJeffrey Snove氏によれば、"構成管理ツールを買おうとしているなら、そのツールがDSCをサポートしているか確かめてください。そうしないとWindows Serverの戦略と一致しなくなります。"という。
Daniel Davidson氏はOneGetの発表とChocolateyの利用についてセキュリティの懸念を表明している。
私が困惑するのは信頼性についてです。"OnegetのモジュールはPowershellの中核ですが、ダウンロードするものは安全で検証されていなければならない"のです。microsoft.comからソフトウエアをダウンロードするのにナーバスになる人はほとんどいないでしょう。しかし、ChocolateyはMicrosoft.comではありません(...)
Windows ServerチームのJeffrey Snover氏は次のように答えている。
コミュニティが作ったものをダウンロードしたりインストールしたりすることに対してセキュリティの懸念を持つのは正しいことです。現実ではコミュニティのリポジトリにあがっているソフトウエアの作者は誰かわかりません。信頼していいのかどうか判断がつきません。したがって、Get-PackageSourceをするときは、ソースがTRUSTEDかそうでないかを宣言させる仕組みになっています。デフォルトでは、コミュニティのリポジトリは信頼されていません。ダウンロードするときにこの点について聞くようにしています。
そして次のように付け加えている。
セキュリティは確かに懸念すべきことであり、私たちもさまざま策を実施していますが、現時点で発表できることはありません。
さらに、
現時点では、Chocolateyはとても人気ですが、公式ではありません。私たちはChocolateyのチームとともにスライド制の公式性(例えばオプトインの公式性)を提供しようとしています。非公式なソフトウエアから公式なソフトウエアまで選択できるようにするのです。