Espresso Logicチームは“Live Browser”という新しい製品を発表した。これは、マスタ/明細フォーマットでデータベースを操作する簡単なHTML5のユーザインターフェースを提供する。
Live Browser を使うとユーザは、どのようなデータベースのデータに対しても操作ができる。プログラミングの必要はない。Espressoの初期の戦略はモバイル、ウェブ、クラウド向けのサーバサイド開発に注力することであり、その中で、宣言的モデルを開発して、クラウドとオンプレミスのRESTベースのアーキテクチャのアプリを開発した。
MBaaSの成果物はクラウドテクノロジーに注力している。たとえば、REST/JSONといった技術だ。DreamFactoryやKinveyといった製品はクラウド上のSQLデータを操作するためのRESTfulなAPIを作成する。Espressoと同様、これらの製品は多くのバックエンドサービスを提供し、単一のテーブルをのぞく機能を提供する。
Espresso LogicのCEOであるR. Paul Singh氏は次のように言う。
フロントエンドを開発する費用と時間のために、内部のアプリケーションには大量のバックログが溜まり、決して少なくなりません。Live Browserはこのような状況を改善します。ビジネスサイドはオンデマンドでデータにアクセスできるようになります。どのようなデバイスからもアクセスできます。数週間や数ヶ月必要だったアプリケーション開発があっという間になります。Live Browserを使わなければ実現できないビジネス上の競争優位や生産性の改善を幅広いアプリケーションに提供できます。従来の方式ではコストがかかりすぎてしまうのです。
氏が言うには、Espressoの手法はインフラを促進し、JavaScriptをスプレッドシートのようなリアクティブなプログラミング言語のように拡張し、価値提供にかかる時間を劇的に小さくする。"これは、まったく新しい方法で、現在の方法よりも簡単で素早いのです。"
Live Browserは簡単なHTML5のユーザインターフェースを提供し、マスタ/明細のフォーマットでデータベース全体を操作できる。UIはビジネスユーザでも技術スタッフでもカスタマイズでき、組み込みのロールベースの行/列は、Singh氏の言う“包括的な組み込みセキュリティ”保護を読み取り、変更操作全体に適用する。また、認証管理の仕組みが組み込まれている一方、ユーザが自身の企業の認証を使うことも可能だ。
既存のデータベースとデータアプリケーションをメンテナンスしているDBAと開発者にとっても、Live Browserはコンテンツやデータベースの構造を調べ、不正なデータを修復する方法を提供する。Singh氏は開発者はLive Browserを使ってバックエンドアプリケーションの素早くプロトタイプを作成できる、と言う。
開発者は、Live Browserを使ってデータベースのスキーマを見ることができる。テーブルを理解し、列や関連を理解できる。小テーブルへドリルダウンすることも可能だ。Live Browserの振る舞いはスキーマのメタデータによって制御されている。つまり、データベースへのどのような変更も捕捉できるのだ。
また、Live Messagingを導入したのも大きな特徴だ。これによって、データ全体または一部をハイパーリンクにして認証を経たユーザに与え、ユーザは読み取りや更新ができる。
今回のEspresso Logicのリリースのニュースに対する反応はさまざまだった。jooq.orgのLukas Eder氏の記事には、TechCrunchの記事を読んだ後は懐疑的だったが、さらに調べてみると"この製品の背後にあるアイディアには感嘆せざるをえない"と書いてある。
Redditではdventimiがオリジナルの記事にコメントを寄せている。
確かにかなり強烈でイノベーティブだと思います。破壊的とは言わないまでも、いくつかの機能はすごいです。たとえば、関係データベースに対する自動API、宣言的なビジネスロジックです。これらの機能は潜在的にとても使いやすく、現在多くのアプリケーションで行われている命令的なプログラミングに別れを告げることができるでしょう。
Singh氏によれば、長期的には、Espressoはビジネスユーザがデータベースに新しいフィールドを追加し、更新のロジックを定義できるようにするつもりだ。Excelではすでにユーザが実施していることだ。ビジネスサイドのユーザがモバイルやウェブ向けに独自のアプリを作り、しかもそのアプリは中央集権的なセキュリティ要件を満たし、バックアップをできている、という事態は"ITマネージャにとっては悪夢だ"が、ある種のアプリケーションはそのような機能を必要とする、と氏は言う。
EspressoはInfoQの読者にサイトを訪れて、試してみて、フィードバックをしてほしいと言っている。テスト用にNorthwindデータベースのクラウドバージョンを提供しているが、氏が言うには、ユーザは自身の企業のデータで試してみるほうがいいだろう。
Live Browserはクラウドでもオンプレミスでも利用できる。開発者はここから評価用のアカウントを作成できる。