Googleは、PDFファイルの閲覧、印刷とPDFフォームの入力が可能な、Chrome PDFエンジンをオープンソース化した。GoogleがChrome PDFエンジンのベースとして選択したFoxit PDF SDKの開発元であるFoxit Softwareから今月初めに発表された。以前はクローズドソースであったChrome PDFのコードは今、PDFiumオープンソースプロジェクトとしてGoogle Sourceにホストされている。
GoogleのオープンソースプロジェクトChromiumのエバンジェリストで、以前はChrome機能の漏洩者として知られていたFrançois Beaufort氏によると、"オープンソース化されたFoxitのPDF技術により、Chromiumチームは開発者に堅牢で信頼性の高いPDFライブラリーで、閲覧、検索、印刷、PDFファイルへのフォーム入力を提供します。" Chrome UIエンジニアのPeter Kasting氏は、PDFium について、"オープンソースの世界ではほぼ確実に最高品質のPDFエンジンを提供している。"と説明した。
PDFiumのwikiでは、ライブラリーの使用を開始するための有用な2つのポインターを提供している:
- Foxit SoftwareのWebサイトでは公式のAPIドキュメントが提供されている
- PDFium APIをクライアントソフトウェアから利用するよい例は、ChromeのPDFプラグインで提供されている
- ビルド手順もWikiで提供されている
PDFiumのビルドシステムは、メタビルドファイルからプラットフォーム固有のビルドを生成するGYPがベースになっている。GYPのおかげで、PDFiumはmakefileを通じて、プラットフォームに応じて、Visual StudioソリューションやXcodeプロジェクトを簡単に構築することができる。
InfoQが検証してみたところ、ビルドプロセスは簡単で、ビルドファイルはデスクトップ環境に生成された。 ライブラリーがモバイルデバイスで実行できるのか、Foxitもまた特定の組み込みシステム向けのPDF SDKで作成するのかは明かではない。
PDFiumのオープン化により、Chromiumでオープンに利用可能なChromeのリストは長くなった。オープンソースにまだなっていない注目すべきコンポーネントは組み込みのFlashプレイヤーである。
このプロジェクトは"新しいBSDライセンス"下でリリースされている。