AmazonがEC2の新しい低コスト汎用インスタンスのクラス、T2を発表した。これは常に高いCPU使用を必要とはしないワークロードのために作られたものだ。ローエンドのt2.microはこれまでのt1.microと比べて、高い性能、多くのメモリ(1GiB)、低コスト(1.3¢/時間)を提供する。またT2クラスには、RAMがそれぞれ2GiBと4GiBのsmallとmediumのサイズも用意されている。T2インスタンスにはすべて、ピーク時のワークロードのためのバースト可能な性能が提供される。
Model | vCPU | CPU分/時間 | RAM (GiB) | Cost ¢/時間 |
t2.micro | 1 | 6 | 1 | 1.3 |
t2.small | 1 | 12 | 2 | 2.6 |
t2.medium | 2 | 24 | 4 | 5.2 |
その新しいCPUクレジットシステムは、(性能に関する独自の詳細なガイドがあった)これまでのt1.microインスタンスと比べて、性能に対する明快なアプローチを提供している。各サイズのインスタンスには1時間毎に利用可能なCPU分が用意されており、そのCPU分は24時間にわたり蓄積することができる。インスタンスがビジーになると、利用可能なCPU分のプールから引き出される。サーバを停止して再起動すると蓄積されたクレジットは失われるが、起動時をカバーするために追加のクレジットが与えられる。AmazonはCloudWatchモニタリングシステムに新たにCPUCreditUsageとCPUCreditBalanceというメトリクスを導入した。これによってユーザはその利用状況を追跡することができる。エバンジェリストであるJeff Barr氏はAWS Blogにおいて、t2.smallインスタンスでLinuxカーネルをコンパイルしたときのクレジットの使用とその残りについて説明している。
T2クラスはAmazonのElastic Block Store (EBS)を利用している。これには最近ローンチされたSSDベースのものも含まれている。SSDボリュームの価格はこれまでの「磁気」ボリュームの2倍だが(10¢/GB)、I/Oリクエストには課金されない(これまでは100万につき5¢)。Amazonはストレージ1GBあたり3IOPSのサイズに結びつけ、Googleのモデルに追従している。だが、AmazonとGoogleのアプローチには2つの大きな違いがある。Amazonの性能保証はGoogleの標準とSSD永続ディスクの対数的中間にあり、Amazonは1GBあたり3,000 IOPSまでのバーストアップを提供している。こうした異なる価格体系はサプライヤ間の比較をますます難しくするが、Amazonは最高性能を提供しないことは比較的安価で柔軟性があると考えた。AmazonはSSDボリュームのローンチに加えて、明確に定義された性能保証を要求する人向けに提供されているプロビジョンドIOPSを使ったEBSボリュームに対して、35%の値下げを発表した。
AmazonはT2クラスを、(C3を除く現在のほとんどのインスタンスクラスで使われているE5-2670のような)特定のプロセッサタイプを指定せずに、2.5 GHzの「Intel Xeonファミリー」物理プロセッサ上にあるものとしている。これは、T2インスタンスは新しいIntelの機能(AES暗号化のためのネイティブ命令セット(AES-NI)、小数点演算のためのAVX (Advanced Vector Extensions)、CPUコアを高速動作させるTurbo Boostなど)を活用できることを意味している。このT2インスタンスはハードウェア仮想マシン(HVM)を利用しており、ベストな性能を得るためにはHVM Amazon Machine Images (AMIs)の利用が推奨されている。
T2インスタンスはすでにUS West 1 (Northern California)、China、GovCloudを除く全リージョンで利用可能だ。残りのリージョンでも「近い将来」利用可能になると約束されている。