Googleの2日間の2014開発者カンファレンスはオープニングキーノートから始まった。(“オープニング”キーノートは、今年は唯一スケジュールされていたキーノートであった。)
GoogleでAndroid、ChromeとアプリのSenior Vice PresidentであるSundar Pichai氏がプレゼンテーションのホストを務めていた。Pichai氏は、AndroidフォンハードウェアのリファレンスプラットフォームであるAndroid Oneイニシアチブの説明からはじめた。リファレンスプラットフォームは、Androidオペレーティングシステムが実行された様々な幅広いハードウェア周辺の難しさに対処使用としている。
またPichai氏は、次期リリースのAndroid SDKであるAndroid L (Android 5.0)について議論した。このリリースでは、デスクトップと異なるモバイルデバイスで一貫性のあるエクスペリエンスを含む、およそ5000の新機能が含まれている。Lの開発者レビューは6月26日に提供された。Android Lのパブリックリリースは2014年秋のどこかになる可能性が高い。
GoogleでデザインのVice PresidentであるMatias Duarte氏は、Android LのパラダイムであるMaterialデザインについて説明した。Materialデザインは、色とレイヤーの両方で各ピクセルについて説明する。ピクセルのレイヤーは画面上のガラスから何ピクセルぐらい離れているかを説明する。APIに組み込まれたコードは、影を作るため、アニメーションを管理するため、その他の3Dのような効果を実現するためにレイヤー情報使用する。アニメーションはあるアクティビティーから他へ、あるアプリケーションから他へまたぐ事ができる。
AndroidのシニアエンジニアリングディレクターのDave Burke氏は、Android Lの新しいヘッドアップスタイルの通知について説明した。ヘッドアップスタイルでは、優先度の高い通知は、現在実行中のアプリを覆うことなく画面上に即座に表示される。彼はまた、(例えば)ユーザーの時計が近くにあるときにユーザーの電話を自動的にアンロックすると言った、パーソナルロック解除についても説明した。
Burke氏はまた、AndroidのARTランタイムについても議論した。4.4で実験的に導入されたARTはAndroid Lでアプリのランタイムのデフォルトになった。(ARTは以前のAndroidリリースのデフォルトランタイムであるDalvikの置き換え)。ARTは、ガベージコレクター、ARM, x86, MIPSプロセッサーのサポート、完全な64ビット互換で、Dalvikを超えて200%パフォーマンスが向上する。
AndroidエンジニアリングのディレクターであるDavid Singleton氏は、Googleの時計に対するAPIであるAndroid Wearについて話した。APIは、ユーザーの電話と強調して、通知の表示と電話機能の制御を提供する。完全なAndroid Wear APIは本日提供されている。
AndroidエンジニアリングのディレクターであるPatrick Brady氏は、ドライバーのダッシュボードコンソールにインテリジェンスを提供するためのドライバーの電話を使用したAndroid Autoについて話した。androidautoでは、ドライバーのコンソールで地図と方向、リクエストに応じた音楽の再生、受信したテキストメッセージのスピーチ、送信メッセージの録音を提供する。ドライバーの安全を念頭に置いてAndroidautoは完全に音声で制御することができる。Android Auto SDKは現在、提供されている。androidautoを使った車は、2014年末に組み立てラインに登場する予定である。
Chromecast製品管理のディレクターRishi Chandra氏はandroidtvについて話した。Chromecastの成功から、Android TVは、電話、タブレット、テレビや他のデバイス間のエクスペリエンスを統合することを目指してる。 開発者はアプリのコードにLEANBACKラインを含めることにより、テレビサポートを追加する。ユーザーは、時計やその他のAndroidデバイスでテレビを制御することができ、デバイスからの通知がユーザーのテレビに表示される。SharpとSonyは、近い将来Android対応のテレビを出荷することに合意した。
Sundar Pichai氏は、ChromeOSについても話した。以前の議論と同様に、デバイスと統合することに重点を置いている。あなたの電話が近くにある時には、自動的にあなたのChromebookがアンロックされる。着信の通知はChromebook画面上に表示され、電話のバッテリー残量が少なくなったときはChromebookに警告が表示される。
BYODの領域でPichai氏は、WorkプログラムのためのGoogle認定Androidについて話した。プログラムの目的のひとつは、従業員が仕事と個人利用の両方にひとつの電話を実用的に利用できるようにすることである。詳細には行かず、Pichai氏は電話が企業標準に対して安全であるが、個人のニーズに応じてカスタマイズ可能でもあると説明した。Android Lのパブリックリリースが近づけば、さらに多くの情報が提供される予定だ。おまけに、Pichai氏はGoogle DocsがMicrosoft Wordドキュメントのネイティブ編集を提供していることに言及した。(もはやドキュメントをクラウドで編集するためにGoogle Docsフォーマットに変換する必要がない)
テクニカルインフラストラクチャーのSenior Vice PresidentであるUrs Höelzle氏は、クラウドで開発するためのいくつかの新製品を紹介した。これには、Cloud Debugging, Cloud Tracing, Cloud Monitoringが含まれる。彼はまたシンプルで、データ分析のために最適化されたパイプラインを作るための完全に管理されたサービスであるCloud Dataflowも紹介した。Cloud Dataflowは、今日の分析に使うには煩雑になりすぎたMap/Reduceを置き換えるものである。
最後にGoogle PlayのProduct ManagerであるEllie Powers氏は、Appurifyチームがテストエクスペリエンスを改善するためにGoogleに加わることを発表した。改善にはクロスプラットフォームのテスト、グローバルデバイスのサポート、接続のシミュレーションが含まれている。彼女は、デバイス所有者の健康を統合した画像に対して、複数のアプリやデバイスからデータをブレンドするための単一のAPIセットであるGoogle Fit Platformのプレビューを発表した。SDKは数週間以内に提供される予定だ。
このキーノートに続いてカンファレンスはおよそ200のセッションが予定されている。以下のグラフは様々なGoogle関連のトピックに関するセッション数を示している。
(いくつかのセッションはひとつ以上のトピックカテゴリーに属している。そのため、チャートの合計数は200ではなく300近くに達している。)
Googleの年次カンファレンスは競争力のあるチケットとして知られている。昨年のカンファレンスチケットは販売開始から50分で完売した。今年のチケットは、数万人がチケットを申込み、抽選でおよそ5000人がチケットを購入する権利を手に入れた。