ThoughtWorksがTechnology Radar July 2014 (PDF) を公開した。ここにはJavaScriptエコシステム、マイクロサービス、コンウェイの法則、インフラストラクチャの分散化に関する大きなトレンドが示されている。
今回の結果について、ThoughtWorksは次のようなトレンドがあると述べている。
- JavaScriptエコシステムはダイナミックな進化を理解している。
- マイクロサービスと企業内外のコネクションとしてのWeb APIの重要性に大きな関心がある。
- コンウェイの法則の認知度が高まっている。
- インターネットとクラウドサービスプロバイダの統合の時代に続き、データとインフラストラクチャの分散化のニーズがある。
これまでのThoughtWorks Radarと同様、図には4つの領域 (Adopt – 導入を推奨、Trial – 低リスクのプロジェクトで試す価値がある、 Assess – 評価を推奨する、Hold – 注意する) がある。前回のRadar (January 2014 - PDF)と同じ位置の場合、各項目は円で記され、新しいものや位置が変化した場合には、角の丸い三角形で記される。Techniques象限は次のようになっている。
ここからわかること。
- (1) Forward Secrecy (Adopt)- 1つのセッションキーが漏れても以前の通信を保護する暗号テクニック
- (8) Inverse Conway Maneuver (Trial) (逆コンウェイ戦略)– 「望ましいアーキテクチャを促進するためにチームと組織構造を進化させること」、理想的にはテクノロジとビジネスのアーキテクチャが同じ形になることを提案する。
- (15) REST without PUT (Trial) – PUTの代わりにPOSTを使う。「コマンドとクエリのインターフェイスを分離し、最終的な一貫性を顧客に強制する」ため。
- (25) DevOps as a Team (Hold) – DevOpsは文化的変革であり、組織は別のサイロを作るべきではないという事実に注目しなくてはならない。
次のPlatforms象限からわかること。
- (29) Hadoop 2.0 (Adopt) はTrialからAdoptに移動した。(Hadoop 2.0が円で示されているのは間違い)
- 多数のプラットフォームがAssessとして推奨されている。そこには(34) ARM SoC、(35) CoAP – IoTプロトコル、(37) Espruino – JavaScriptインタプリタを含むコントローラ、(44) Two-factor Authentication (2要素認証)が含まれる。
- 大変興味深いことに、ThoughtWorksは(49) OSGi をHoldに置いている。これは「全体の問題のわずかな部分しか解決せず、複雑なビルドなど、プロジェクトに独特の予期せぬ複雑さを加えることが多いため」だ。
Toolsに関してわかること。
- (50) AnsibleはAdoptに移動した。
- (58) 3月にThoughtWorksによってオープンソース化されたCDツール、Go CDがTrialに推奨された。
- 非常に多数のツールがAssessゾーンに入っている。そこには(69) Appium – モバイル自動テストフレームワーク、(76) Rosylin – Microsoftのコンパイラ技術、(77) Spark – ビッグデータ解析ツール、(78) Swagger – RESTful API標準が含まれる。
最後の象限、Languages and Frameworksについてわかること。
- (84) Java 8 (Adopt)- ThoughtWorksは、Java 8は後方互換性をうまく維持すると同時に、「既存のライブラリおよび機能とうまくかみ合うよう、重大な言語変更を取り込んでいる」と考え、採用を推奨している。
- (87) AngularJS、(88) Core Async、(95) RはTrialにふさわしいと見なされている。
- (96) Elm、(101) Rust、(105) Wolframといった新しい言語がAssessとして推奨されている。
- (107) JSF は引き続きHoldにある。ThoughtWorksは「最近のWebフレームワークがやっているのとは正反対にHTML、CSS、HTTPを取り除こうとしているため、JSFには問題がある」と考えている。