Google は、Project Tango 開発キットの有効性を公表した。このキットは、環境の完全な3次元的なモーションの追跡と面情報の取得を行うアプリケーションの開発を可能にするものだ。Tango 開発キットは、NVIDIAとの協業によって開発され、新しい Tegra K1 モバイルプロセッサ対応を含み、コンピュータビジョンと3次元センシング向けに設計されたプラットフォームの提供を狙っている。
Project Tango は、以前はモトローラ社の一部門であった Google's Advanced Technogy and Projects(ATAP) グループによる、スマートフォンとタブレット用のプロジェクトの一つである。 Project Tango は、「モバイルデバイスに対して、人間スケールの空間と運動の理解力を与える」という目標を立てている。 Google によれば、「空間と運動について知ることは、我々が環境と相互作用したり、我々同士が相互作用する方法の基本です・・・しかしまだ、我々のモバイルデバイスは、物理世界はスクリーンの境界線のところで終わっているという前提に立ったままです。」
Project Tango 7インチ開発キットは新しい NVIDIA Tegra K1 プロセッサによって強化されており、4GBのRAM、128GBのストレージ、モーション追跡カメラ、統合された距離計測機能、Wifi、BTLE、および4G LTE通信を利用可能である。このデバイスは、エンドユーザ向け製品ではなく、ウォールストリート・ジャーナルによれば、Google は「来月の初旬に、約4,000のプロトタイプタブレットを生み出すことを計画している」そうである。
今年の2月、Googleは選ばれた開発者に対して、Androidスマートフォン風のプロトタイプデバイスを配布した。このデバイスはデバイスの3次元的な移動を追跡し、さらにその周囲の環境(空間)の3次元モデルを構築することができる。このプロトタイプ上で最初に構築されたアプリケーションの1つが、ドローンに搭載したプロトタイプがドローンの操縦をいかに支援できるかを調べようという、ペンシルバニア大学のプロジェクトであった。
Tech Republic の Cornner Forrest 氏によれば、開発者に初期のプロトタイプをリリースしたことにより、『役に立つアプリケーションを見つけ出すことを開発者に強く』依存するという『Googleの典型的な製品開発戦略に従っている』ことを示しているという。この種のアプリケーションによって、こうしたデバイスから集めたデータのクラウドソーシング化によって、地図データの生成を支援できるかもしれないが、プライバシーの問題を引き起こすかもしれない。なぜなら『Googleは建物の内部の3Dマップを可能にするつもりがあるのかどうか、という疑問があるからです』と Forrest 氏は述べている。
興味のある開発者は、Project Tango 開発キットが今年後半に(予価1024ドルで)発売開始された際に通知を受けられるように登録が可能である。