IBMはRaising the game - The IBM Business Tech Trends Study (PDF)と題した調査結果を発表した。同社はこの調査で次の4つの重要な技術の現在の普及状況を調べている。すなわち、ビッグデータ&アナリティクス、クラウド、モバイル、ソーシャルの4つだ。この4つがエンタープライズ分野でどの程度普及しているのかを2012年と比較している。また、PacesettersとDabblersの比較も行っている。
この調査によれば、Pacesettersとは、“これらの技術が自社のビジネス上の成功にとって重要であり、ライバルに先駆けて導入したい”と考えている人たちだ。Followersはこれらの技術は戦略的には重要であるものの、“Pacesettersを追いかけるかたちで導入する”人たち、そして、Dabblersは“遅れを取っているか、導入の観点では競合と同じだが、技術の使い方は戦略的ではない”。
IBMの今回の調査では次のようなことが判明した。
- 下図に示されているように70%の企業がビッグデータ&アナリティクス、クラウド、モバイル、ソーシャルを活用している。
- 企業の意思決定者の75%がこれらの技術を組織にとって戦略的に重要だと考えている。2012年では66%だった。
- 企業の75%がビッグデータ&アナリティクス、クラウド、モバイルに対する投資を増やしたいと考えている。66%がソーシャルへより多く投資する傾向がある。
- Pacesettersの90%、Followersの70%、Dabblersの40%がこれらの技術によって競合優位にあると考えている。
- Pacesettersの80%がシチズン・デベロッパーを活用する。Dabblersと比較すると、Pacesettersはシチズン・デベロッパーを2倍活用してトレーニングを行い、2.6倍も“スタートアップを引き込んでITの方向を操舵している”。
- Pacesettersの70%がアナリティクスを意思決定に不可欠だと考えている。
- Pacesettersの60%、Dabblersの29%が次の2年間で10%以上もアナリティクスに対する投資を増やす計画を持っている。
- Pacesettersの80%が次の2年でソーシャルとモバイルアナリティクスの活用を推進するつもりだ。
- クラウドコンピューティングについては、Pacesettersの57%がクラウド上でビッグデータを利用している(Dabblersの6倍)。53%がクラウド上でソーシャルを利用している(Dabblersの7倍)。55%がクラウド上でモバイルを活用している(Dabblersの4倍)。
この調査を踏まえれば、この4つの技術はもはやバズワードではなく、企業のソフトウエア開発にとって重要になっていると言っていいだろう。
この調査のために、IBMは1,447の企業の意思決定者を調査した。そのうち21%がCレベルのエクゼクティブ、残りはバイスプレジデント、ディレクター、IT部門のマネージャ(40%)とビジネス部門の(39%)。13の国の15の産業をカバーした。調査対象の半分の企業は1000人以上の従業員を抱えている。