組み込みソフトウエアやモノのインターネット関連のシステムをテストするには、物理的、知覚的、感情的なインタラクションが関係する、とGerie Owen氏は言う。氏はNortheast Utilitiesのビジネスソリューションアナリストを務めている。
Gerie Owen氏はInternational Conference on Software QA and Testing on Embedded SystemsにてTesting the Internet of Things: The Human Experienceと題したワークショップを開催する予定だ。また、このカンファレンスでAras CorporationのPeter Varhol氏がTesting in the M2M Worldと題した講演をする。
InfoQは両氏にモノのインターネットや組み込みソフトウエアのテストはどのように特異なのか、テスト担当者の経験や予測の活用について話を聞いた。
InfoQ: カンファレンスでモノのインターネット(IoT)のテストについて、また、テストの経験について話すようですね。モノのインターネットとは何なのでしょうか。簡単に教えてください。
Gerie: モノのインターネットとは現在の世界とモノや動物、人が無線でつながる世界を包含する言葉であり、マシン間の通信やウエアラブルデバイスも包摂します。MITのAuto-ID Centerを設立したKevin Ashton氏が1999年にこの言葉を作りました。Auto-ID CenterはRFIDやその他のセンサーについての国際標準システムを作成した施設です。
InfoQ: ディスクトップアプリケーションやウェブアプリケーションと比べて、組み込みソフトウエアのテストはどのような点が特異なのでしょうか。
Gerie: モバイルや組み込みソフトウエアは使い手と密接です。他の技術と比べて、生活と密着しており、私たちの一部となる可能性があります。モバイル、組み込みデバイスはキーストロークを待つのではなく、私たちとやり取りをするのです。私たちの声に反応して動作し、タッチや体の動きに反応します。
InfoQ: ユーザがモバイルや組み込むシステムとやり取りする方法が問題ということですね。テストにはどのような影響があるのでしょうか。
Gerie: すべてのデバイスが私たちに反応します。それゆえ、人間がデバイスによってどのような経験をするのかテストしなければなりません。もし、人間のインタラクションをテストしないなら、品質に対する評価や判断は、そのデバイスを出荷するかどうか決める上でもっとも重要な情報が欠けているということになります。モバイルや組み込みデバイスにとって、“人間の経験”をテストするのが重要な理由は何でしょうか。過去私たちが行ってきたこととの違いは何に起因するのでしょうか。私たちがモバイルデバイスを身に着け、モバイルデバイスが動作するとき、インタラクションやコラボレーションの結果が、私たちにとって、物理的にも感情的にもますます重要になります。ユーザ、つまり人間が“モノのインターネット”の一部になるのです。
InfoQ: ユーザはスマートウォッチやその他のウエアラブルに対して独自の期待や経験を持つと思います。これによってテストも独特になるのでしょうか。
Gerie: もちろんです。“人間の経験”のテストにはデバイスに対する人間のインタラクションの構成要素があります。私たちは、光、音、タッチなどのすべてのセンサー反応をテストする必要があります。人間の動きに対するインタラクションをテストするのはとても重要です。
地理情報のテスト、天候のテストなども計画する必要があります。ユーザがデバイスを使ったときにのマインドセット、バイアス、感情の観点からテストを考える必要があります。
InfoQ: モノのインターネットのテストをさらに学びたい読者のためのお薦めのオンラインのリソースを教えてください。
Peter: 難しい質問ですね。というのは、現時点では実践している人が少ないのです。ほとんどのテスト担当者はこの方向のことをまだ何も考えていないと思います。Gerieのアプローチを踏まえるとすれば、自分がインターネットに接続されたデバイスを使った経験を考察するのがいいと思います。テストしてみて、何か不満があるなら、その不満がデバイスそのものに起因するのか、自分とのインタラクションに起因するのか考えてみるといいでしょう。たとえ、人間中心の設計だったとしても、そのデバイスはあなた向けに作られているのではないのです。