Ceylon 1.1には動的なインターフェース,使用箇所分散(use-site variance),OSGiとVert.xによるデプロイメント,ceylon.promise
モジュール,IDE拡張,パフォーマンスの向上したコンパイラなどが付属する。
Red HatでCeylonプロジェクトのリーダを務めるGavin King氏は,同言語のバージョン1.1を発表した。コンパイラのパフォーマンス向上やこれまでのリリースのバグ修正に加えて,いくつかの分野で多くの新機能が提供されている。
言語には,次のようなサポートが拡張されている。
- ネイティブなJavaScript APIをラップする動的インターフェース。
- Javaジェネリクスと完全な相互互換性を有する使用箇所分散(use-site variance)。
- 匿名関数のパラメータの型推論
Byte
クラスの最適化
モジュール性の面では,Ceylonの .car ファイルにOSGiとMavenのメタデータが追加されて,OSGiコンテナ内での実行が可能になった。CeylonモジュールをVert 2.1.xにデプロイすることもできる。
IDEが強化された。
- コードフォーマッタ
- 新しい7つのリファクタ方法
- クイックフィックス
- IntelliJ風の"チェーン補完(chain completion)"
- 新しいエクスプローラービュー
- JDTキーボードアクセラレータ
- 参照箇所のクイック検索,最近編集したファイル,ブロックフォーマットなど
以下のモジュールがSDKに追加されている。
- Promiseをクロスプラットフォームでサポートする
Promise
- 国際化をサポートする
Locale
- ログAPIの
Logging
今後に向けて,King氏は次のようなロードマップを概説している。
1.1.5
- ほぼ完成しているシリアライゼーション。これによって,"JSベースのクライアントとJVMベースのサーバ間で,Ceylonオブジェクトの転送が可能になります。"
- HTMLモジュールの改善。サーバとクライアント両方で使用可能なHTMLテンプレートが記述できるようになる。
- Narayama Transaction Managerベースのトランザクションモジュール。
1.2
今回のリリースでKing氏は,以下の課題に取り組もうとしている。
- Java EEインテグレーション。これが実現すれば,さまざまなフレームワークのサポートを追加できるようになる。
- UIコントロールとデータモデルのバインディング。
- DBクエリ言語。
- 複数コンストラクタ。
AndroidとIntelliJのサポートが望まれているが,対応の予定は提示されていない。また氏はDart VMをターゲットにすると公表しているが,現時点では何も決まっていない。