Matt DeBergalis氏がMeteir 1.0のリリースを発表した。モバイルアプリ開発者向けの新機能を備え,パッケージ操作が改善されている。
ブログ記事"Meteor 1.0"に待望久しいリリースを発表したDeBergalis氏は,"とても嬉しい"と感想を述べている。
Meteorは,現代的なWebアプリとモバイルアプリをJavaScriptのみで開発するための,オープンソースのプラットフォームです。開発されるアプリにはライブアップデートのインターフェースが用意されていて,情報の参照と相互のコラボレーションをリアルタイムで行うことができます。また,ダイアログやポップアップといった,控えめながら重要なタッチインターフェースを持ち,デスクトップアプリのようなWebサイトを実現します。さらには最も重要な点として,ブラウザ内で実行するだけでなく,AppStoreから任意のモバイル機器にインストールすることも可能なのです。
今日1.0リリースを達成したばかりですが,すでに多数の企業がMeteorを使ってすばらしい結果を得て,プロダクトアプリケーションで多くの実績を上げています。
節目となる今回のリリースのいくつかのハイライトの中に,モバイルアプリのサポートの改善がある。iOSとAndroidを含むMeteorのモバイルアプリ開発サポートについては,9月の0.9.2リリースで発表されていたが,1.0ではCordova関連に大幅な変更が行われている。
GitHubの更新履歴には,accounts-twitter
パッケージがローカル開発環境のCordova上で動作するようになったこと,新しいCordovaプラグインまたはプラットフォーム上でmeteor run
からのExitが追加されたこと, https:// を --mobile-server オプションで指定した場合に,Cordovaクライアントが, https://example.com ではなく http://example.com に接続するというバグがフィックスされたこと,などが記載されている。
その他Meteor 1.0の改善点としては,すべてのアーキテクチャに対して,バイナリ依存性付きでパッケージを発行するmeteor admin get-machineコマンド
がある。一方でmeteor publish
では,バイナリNPM依存性を持つパッケージに対して,ビルドを自動的に発行しないようになった。パッケージングの改善点としてはその他に,meteor publish-for-arch
が,他のMeteorリリースでビルドされたパッケージを発行可能になっている。
開発者コミュニティはリリースのニュースを概ね歓迎しているが,一部からはMeteorがバージョン1.0をリリースするのに対して,Node.jsがいまだ0.10であることが早々に指摘されている。
Hacker Newsの記事 "Meteor Hits 1.0" には,Meteor開発チームの1.0達成を祝う多くのコメントとともに,Meteorの実システム適用に関する話題が寄せられていた。それに合わせて,すでに慣例にもなった,Meteorの必要性に関する議論もある。
ユーザ resca79によると,
Meteorの最初のリリースが登場して以来,このプロダクトには強い印象を持っています。ゼロコードでWebページをリアルタイム更新できるというのは,驚くべき機能でした。ですが現在,Meteorは必要なのでしょうか?
サーバ側には,高いスケーラビリティとパフォーマンス,リアルタイム性を保証する選択肢がいくつもあります。MongoDBのみを選択しても,SQLはありませんが非常にリアクティブです。クライアント側にもReactやEmber,Angularといった素晴らしいJavaScriprフレームワークが,モジュラライブラリとして用意されています。
Lachgr がこれに答えて,
SQLサポートは,その他の素晴らしい機能と一緒にロードマップ上にあります。Meteorをバックエンド中心として,ReactやAngularのようなフレームワークをフロントエンドに使用する方法もあります。もっとも,このようなセットアップに特別なアドバンテージがあるのかどうか,私には分かりません。
他のフレームワークでは見たことのない,7つの原則を持つMeteorは,素晴らしいコンセプトだと思います。
"Meteor in Action" の著者であるStephan Hochhaus氏は,自身の記事"Meteor hits 1.0 - Welcome to the new web"の中で,同じ議論を自身のことばで語っている。氏は言う。
Meteorは,ここ数ヶ月の間に,雨後の筍のように現れたJavaScriptフレームワークとは一線を画します。Meteorはエコシステムそのものなのです。他のフレームワークは,高い自由度と柔軟性を提供してくれますが,Meteorはその一歩先を行きます。大事なのはいつ,何を使うのかを理解することです ... フロントにAngularを使いたい? 簡単です! Blazeをフロントエンドにするために,Node.jsdではなくてJavaバックエンドを利用したい? もうできています!
Meteorコミュニティでは,11月6日をWorldwide Meteor 1.0 Dayとして,パースからホノルルまで世界中で実施される同時ミートアップの主催するローンチイベントを開催する。参加に関心のある人は,もっとも近いイベントをここで見付けることが可能だ。