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Hack.Summit()チャリティ仮想カンファレンスに45,000以上の参加申し込み

原文(投稿日:2014/11/28)へのリンク

Hack.Summitが12月1~4日に開催される。ソフトウェア開発関連としては最大級の仮想カンファレンスだ。おそらくは業界初の試みとして,このカンファレンスは寄付のみで実施される。その収益はすべて,プログラム関連の非営利団体に直接移行する。DHH, Tim O'Reilly, Matei Zaharia (Apache Spark), Gilad Bracha (Java言語仕様), Kent Beck, Ward Cunningham, Google Glassを開発したTom Chi, Scott Hanselmann, さらには本記事の筆者Floyd Marinescu (仮想チームの文化に関する講演)といった,37人以上の基調講演者が登壇を予定している。Hack.summit()を開催するHack.hands()は,リアルタイムでのコーディング指導を求める人たちと開発者を結ぶ,オンデマンド指導プラットフォームを提供するスタートアップである。

InfoQは,hack.summit()の創設者であるEd Roman氏から,詳しい話を聞くことにした。

すでに45,000人以上のメンバが登録していますが,この驚くべき偉業はどのように達成されたのでしょう?

さまざまな要因が重なったのです。
* 講演者のラインナップが,前例を見ないほど魅力的であること。 Google GlassやRuby on Rails,UML,Bittorrent,CSS,Wiki,GNU Bash,EX(Extreme Programming),その他の開発者たちが一堂に集うのは,今回のカンファレンス以外にありません。
* 移動を必要としないため,容易に参加可能。
* 物理的なコスト(セキュリティ,イベントを実施するオンサイトスタッフ,出席者用の座席とスペース,ホテルの部屋のブロック予約,あるいは食事や飲み物)を必要としないので,理論上の参加可能数は無制限である。通常のカンファレンスのような制限を行う必要はない。
* イベントでは非営利団体のコードが資金を得ることができるので,彼らに報いたり,口コミで支援するチャンスになる。
* 講演者の多くがTwitter上で高い影響力を持っていて,カンファレンスの話題を拡げてくれる。
* 寄付する余裕がなくても,ツィートでの代用が可能である。これがカンファレンスを活気づけるとともに,情報を広く伝えることで,さらなる寄付者を見付けることができる。
* イベントの協賛者たちが,Eメールやソーシャルメディアを通じて,プロモーションのための幅広いリーチを持っている。

hack.summit()は,コーディング関連のいくつもの非営利団体によって支えられていると同時に,FacebookやGithub, Appceleratir, InfoQ, O'Reilly, Basecampなど,多数のIT企業によるサポートを受けている。その全リストは,http://hacksummit.orgで確認可能だ。

Hack.summitを開催した理由は何なのですか?後援者には誰がいますか?

これを主催するhack.hands()は,私が運営するスタートアップです。hack.hands()は,必要な時にすぐ利用可能なメンタリングサービスを通じて,開発者を支援しています。主催者であるhack.hands()がイベントから一切の収益を得ないという意味で,これはユニークなカンファレンスです。収益(チケット売り上げとパートナの両方から)はすべて,非営利の開発団体に提供される予定です。この面では徹底してピュアでありたかったので,イベントを運営するためのハードコストも受け取らないことにしています。公平で中立的なイベントであると受け止めて欲しいので,強引なプロモーション活動も一切行っていません。プログラミング業界のための統一的なイベントとなるように,何年も掛けて長期的に価値のあるものにしたいですね。


hack.summit()を開催したのには,さまざまな理由があります。
* 私たちは,社会的影響と経済的向上を両立させたビジネスを構築可能だと考えています。一部ではこれを,"社会的起業活動(Social Entrepreneurship)"と呼んでいます。このイベントの実行は,還元のチャンスであると同時に,コミュニティ一般を支援するものなのです。
* このイベントに関与することで,私たち自身の名前が(10年前にJBossが先鞭をつけた,ハイテク企業がオープンソースに貢献することで,社会的な評判や信頼を獲得する方法と同じように)世に広まり,人材採用や他の企業との提携などが有利になります。
*イベントの"テーマ"のひとつは,世界中のソフトウェアの品質を向上させるために,開発者たちの相互支援を奨励することです。これは(間接的に),私たちにも利益をもたらします。
*プログラムの世界には,多様性という大きな問題があります。多くの非営利団体が,この問題の対処活動への支援に関与していました。
* このイベントを実行すること自体が楽しいのです。世界中で最高の開発者たちを満足させることのできるチャンスですから。

他の仮想イベントの多くはうまくいっていないのですが,あなた方が成功した理由は何だったのでしょうか?

理由はいくつもあると思います ...

* このようなイベントの初期には,ベンダブースのエリアや対話可能な3D表示を用意したり,他の参加者と"会う"ことを可能にすることで,実世界の物理的なイベントを模倣しようとしていました。しかしこれはナンセンスだと思います。現実世界のエミュレーションが,常に適切であるとは限りません。

* これまでは,必要な技術が存在していませんでした。Google+ HangoutsやCrowdcast (いずれも最近になって開発されたものです)を使うことで,仮想カンファレンスを低コストで,容易に実施できるようになったのです。

* 最高の講演者がラインアップできるように細心の注意を払い,イベントの1日目から,イベント内の活力を構築しました。
* 自分自身の利益のためではなく,正当な理由(私たちの場合は非営利プログラム開発団体の支援)を目的としてイベントを立ち上げることで,共に活動するすべての人々(講演者と参加者いずれも)から,本当の支援を受けることができたのです。

技術的にはどのようになっているのでしょう?

私自身と講演者が1対1ビデオ対話を行うために,Google+ Hangoutsを利用しました。講演者はデスクトップ上で画面を共有して,ライブコーディングやスライドを見せることができます。公開された内容は,"Hangouts on Air"機能を使用してYouTubeにストリームされ,私たちの用意した参加者向けWebサイトに組み込まれたウィンドウに送られます。スケーラビリティの面から見れば,このツールチェーンには十分なテストが実施されていると言えます。私たちが話題にしているのは1対1のハングアウトであるのに対して,YouTubeははるかに巨大な(ワールドカップのような)イベントをホストしているからです。
参加者はCrowdcast.ioを通じて,講演者と対話できるようになっています。参加者にはコメント入力や質問入力,世論調査への参加などが許可されているのです。他の閲覧者たちもHackerNewsのように,質問への賛成票あるいは反対票を投ずることが可能になったのです。このようにして,参加者の音声的な少数派による質問よりも,最善の質問の方が上方向に現れるようになります。
講演のセッションが終わると私たちは,講演後の対話に時間を割く選択をした講演者たちに合流するための,プライベートなGoogle+ Hangoutリンクを参加者に用意します。ここで先着順の質疑応答が行われるのです。Google+ Hangoutsの制限により,参加者は15名程度に限定されますが,カンファレンスでシャイな聴衆が講演者と直接対話することによって起こる"蜂の巣"効果を,これによってシミュレートしているのです。

本記事の執筆時点では,hack.summit()の寄贈者のトップリストには,次のように記されている。

  • Taylor Brown - 750ドル
  • Shubhang Manidsf - 500ドル
  • Boaz - 200ドル

Hack.Summitは月曜日から始まり,9時~午後6時までの毎時に講演が実施される。

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