障害はアジャイルチームを苦しめる。障害はチームが解決しなければならない課題だ。マネージャはアジャイルチームが障害を解消するのを、さまざまな方法で支援できる。
managers and impedimentsと題したブログ記事でJoe Little氏はマネージャがチームとともに障害に対処するために使える問いかけを紹介している。氏は、マネージャはチームと協力し、助けを押し付けるのでも、自らがチームの障害になることもなく、どのように助けることができるかを尋ねるべきだ、と提案する。
私たちマネージャは往々にして、助けようとして邪魔をしています。集中の邪魔をし、割り込みをし、助けになっていません。
一方で、実際に役に立つことが理解されない場合もあります。チームが理解できていない場合は、最低でも彼らの意見を注意深く聞くことです。チームの意見が正しい可能性があります。
Joe氏によれば、マネージャが尋ねるべき質問は、“私が解決の手助けができる障害はありませんか"ということだ。
(…) 答えは常に‘あります’のはずです。そして、本当の問題は何を選択するか、ということです。その問題はマネージャが解決の手助けをできるものでしょう。チームが解決するよりも、マネージャのほうが適任でしょう。
ソフトウェア開発は知識労働であり、マネージャはチームとともに、メンバがどのくらいの時間を“のこぎりの刃を鋭くする”のに時間をかけているかをチェックする必要がある。
チームは‘力’(時間)の1/7をより良くするために(つまり、障害を解決するために)使うといいでしょう。
Damir Prusac氏がthe enemy is called impedimentと題した記事で説明しているように、アジャイルへ転換している最中のチームも障害に直面する。マネージャは一緒に障害を解消するために動く必要がある。
もし、リーダーが障害を解消するのを手助けすれば、チームのメンバはやってくる変化の信憑性の向上に寄与するでしょう。私の経験では、チームが小さな障害に直面した場合、チーム自身が解決するか、障害を認識しないかのどちらかです。リーダーはチームが障害を回避すること、認識すること、解決することを支援します。
障害の下に構造的な課題が埋まっている場合、マネージャはチームが障害を対処できるように、構造的な課題に取り組む必要がある。Damir氏は次のような例を示している。
もし、スクラムを‘教科書通り’に実践する一方、適切なソフトウエア開発を行っていたら、アジャイルの転換にぴったりの状況です。しかし、私たちはそのような状況にはありません。構造的な障害があるのです。深く観察し、十分なコーチングをする(または、コーチたち)はスクラムを展開する際に失われてしまっていました。これもまた、ひとつの構造的な障害です。アジャイルコーチングが仕組みとしてなかったのです。しかし、これは良いことです。問題の存在を理解するということは課題解決の半分が終わったということです。もうひとつはミスターカイゼンに残されています。継続して改善と解決に取り組み続けるのです。チームのスタップからCEOまで組織のすべてのレベルで実践するのです。
もし、障害がチーム自身で解決できるなら、普通、スクラムマスターがリードする。the top 5 ways scrummasters can kick impediments to the curbというブログでTommi Johnstone氏は、スクラムマスタが障害を認識し解決するためのアドバイスを提供する。
- スタンドアップ: [デイリースタンドアップは]チームに障害があるかどうか率直に尋ねる理想的な機会です。スクラムを実践しているチームの口から情報を手に入れるのです。チームのフィードバックを入手することで、スクラムマスタは調査や障害の排除、削減を素早く実践できます。
- 対立を恐れるな: (…) 外界との間にフィルタをして入り、チームを邪魔から守るのはスクラムマスタの仕事です。(…)ビジネスオーナや利害関係者の前に立ちはだかることを恐れてはありません。
- チームが正しい振る舞いするよう鼓舞する: (…) チームの価値を再強化するための振る舞いを探し、促進し、利用する。集中すること、開放的であること、コミットメント、尊敬、勇気、見える化、ユーモア。これは、障害を解消する習慣を持つチームを作る素晴らしい方法です。
- 見ることは信じること: (…) チームが障害一覧を見ると、聞いていることが具体化します。触ることができないことが良いスクラムチームと素晴らしいスクラムチームの違いになります。
- チームに参画し繋がる: (…) チームに繋がっているスクラムマスタは、メンバが責任を持ち、挑戦をして、成長するように促進できる。賢いスクラムマスタはチームがチームが各人の成功を讃えるようにするでしょう。チームが一緒に遊び、親睦を深めるようにできるでしょう。
障害に関連する小さな本の著者であるTom Perry氏はthose are not my impedimentsと題したブログ記事で、障害とは、チームのメンバが解決したい問題のことだと説明している。これはマネージャがするべきことだと考えていることとは違う。
障害については、ふたつのリストを見ることがあります。スクラムマスタやコーチ、マネージャのリストと、チームのリストです。スクラムマスタは、スクラムマスタは頭をかき、“メンバを障害に取り組ませるにはどうしたらいいのか”と考えていますが、チームは“この障害本当に排除したいのか。それなら、スクラムマスタを焚き付けろ。”と考えています。
このような状況でわかるのは、何を障害と考えているかについては誰も関心がないということです。何が障害かについてはもう解っているのです。話を聞いてくれる人を探しているのです。
あなたは、障害を解消するためにアジャイルチームとマネージャが協力した例を知っているだろうか。