Microsoft Open Technologies Inc.は,FogクラウドサービスライブラリでMicrosoft Azureのサポートを可能にする,Ruby ‘fog-azure’ gemをリリースした。
Fogは,Rubyで記述されたオープンソースのクラウドサービスライブラリである。さまざまなクラウドプラットフォームの提供するサービスを抽象化する。Fogを使うことによる,単一のクラウドサービスに対応するアプリケーションを開発すれば,コードに最小限の変更を加えるだけで,他のクラウドに移植できるようになる。
Fogライブラリは,computeやstorage,DNSといったクラウドサービスに対して,標準化されたAPIを提供する。プロジェクトのWebサイトには,サポート対象のクラウドベンダの全リストが公開されている。新たに追加されたMicrosoft Azureプラットフォーム以外にも,Amazon Web ServiceやGoogle Cloud,RackSpaceといった,主要なクラウドベンダもサポートされている。
Microsoft Open Technologiesのブログでは,Fogについて,アプリケーションの開発者からも,PuppetのようにRubyで書かれたDevOpsツールからでも利用できる,と説明されている。ブログにはさらに,MicrosoftがAzure Fog gemにコントリビューションを行った主な目標として,複数のクラウドプラットフォームへの統合と実行が容易なアプリケーションを開発可能にすること,と明記されている。
Azureモジュールを提供することによって,Azureユーザが抽象ライブラリによるメリットを享受して,よりポータブルなアプリケーションを開発してくれることを期待しています。
‘fog-azure’ gemをアプリケーションのGemfileに加えて‘bundle’を実行するか,あるいは‘gem install fog-azure’による手動インストールをすれば,FogをRubyプロジェクトに統合することができる。Fogが初めてという開発者のため,プロジェクトのWebページにある‘getting started’では,簡単なチュートリアルと学習材料へのリンクが提供されている。
ここで使用されたモデルは,Microsoft Ruby開発者センタで公開されている,Microsoft Azure Ruby SDKを使って開発された。必ずしも必要なものではないが,コマンド ‘gem install azure’を実行することで,Ruby SDK全体を別途インストールすることも可能だ。
Microsoft Open Technologiesのブログには,今回のMicrosoft Azure Fogモジュールのリリースはまだ初期段階であり,コメントやフィードバックを広く求めている,とある。ブログにはパッチがすでに用意されていること,fog-azure Githubリポジトリに対するプルリクエストが可能であることなどが述べられている。