視覚的思考を他のツールと組み合わせる試みは,これまで何度となく行われてきた。だが,2つの視覚的ファシリテーション技術を組み合わせるのも面白そうだ。“5 MPC”のオーナで戦略コンサルタントのMarko Rillo氏は,Lego Serious Playを使って,Business Model Canvasを簡単に作成できるようにした。氏のブログには,その内容が紹介されている。
この組み合わせは何人かの人が試していますが,良い結果が得られたという報告がほとんどです。この2つのメソッドを一緒にする上で重要なのは,セッションの参加者が,自分たちのビジネスアイデアを練り上げる作業に集中できるようにすることです。
Business Model Canvasを発明したのは,起業家で,Strategyzerの共同創設者であるAlexander Osterwalder氏だ。氏の定義は次のようなものだ。
Business Model Canvasは戦略的管理と起業のためのツールです。ビジネスモデルの詳述,設計,挑戦,発明,転換を可能にします。
Logoブロックを使うことで参加者は,ビジネスモデルの重要な要素 – 一般的なユーザ,主要な販売チャネル,リソース,パターン – に対する理解を深めることができる,とMarkoは言う。自分たちの価値の提供やコスト構造,収益源を説明するために,自らが構築した成果を利用することが可能になるのだ。さらにLogo Serious Playは,通常のホワイトボードとマーカを使った状況では尻込みしてしまうような,内向的なメンバを活発にすることもできる。
Triviumのパートナで,Lego Serious Playを推奨しているPer Kristiansen氏も,Lego Serious PlayとBusiness Model Canvasの組み合わせについて,短いビデオの中で詳しく述べている。そこでの氏は,ビジネスモデルの3次元表現を構築する上で,Logoブロックがどのように利用可能なのかを説明するとともに,このゲームを進行する自身の経験を公開している。
このプロセスは,頭の中に閉じこめられている意図や知識,洞察を把握するために,メタファモデルの構築手段としてレゴブロックを使用して,ビジネスモデルの主要な要素を表現するものです。完成したならば,チームは,彼らが作り上げた3次元のレゴオブジェクトについてのストーリを発表します。ビジネスモデルと私たちのリーンスタートアップが運用される環境を,3次元的な視覚として生み出すのです。
ワークショップの成果は素晴らしくパワフルなものでした。参加者は実際に,彼らの同僚が意図していることを,そのキャンバスに描かれたもので視覚的に捉えることができたのです。それまでは認識や理解が困難だった問題が,このプロセスを通じて,劇的に明確化されました。私たちのリーンスタートアップにとって何を優先すべきか,検証の必要なものは何か,私たちはすぐに合意することができました。今回のプロセスのもうひとつのメリットは,これまでのワークショップやセッションであれば,あまり発言しなかったであろう参加者にも,平等な発言の機会と結果への参加意識を提供できたことです。積極的な姿勢を示すことで,彼らにも,ワークショップでの成果に対する参加を強く実感してもらうことができました。
Lego Serious Playを採用した本格的なビジネスモデルワークショップを含む,大規模なイベントの開催に尽力したのは,Jan Peeters(エグゼクティブコーチ),Oliver Treinen(多言語コーチ,変革ファシリテータ,Mannaz A/Sリクルータ)の両氏だ。このイベントのために両氏は,素晴らしいスライド資料を用意している。