ビッグデータベンダのHortonworks，IBM，Pivotalの3社は先頃，Hadoopベースの各社プラットフォーム製品に対して，共通のOpen Data Platform(ODP)を採用することを発表した。発表が行われたHadoopSummit Europe Conferenceは，Apache Hadoop 2.6(HDFS, YARN, MapReduce)やApache Ambariソフトウェアといった，オープンプラットフォームのカンファレンスだ。
ODPイニシアティブは，Apache Hadoopの企業導入を簡略化することに注目して，ビッグデータソリューションを実現する，業界全体の取り組みである。グループメンバには，ODP Coreプラットフォームをベースとした独自製品の開発とテストのために，一連のツールとメソッドも提供される。
Hortonworks Data Platform 2.2，IBM Open Platform 4.0 with Apache Hadoop，Pivotal HD 3.0は，いずれも共通のODP Coreをベースとしている。他のODPメンバにはGE，Infosys，SAS，さらにはAltiscale，Capgemini，CenturyLink，EMC，PLDT，Splunk，Teradata，Verizon，VMware，WANdiscoなどがある。
Hortonworks Data Platform 2.2 with Apache Ambari 2.0と最新のHortonworks Sandboxは現在，同社のWebサイトからダウンロード可能だ。
Hortonworksはまた，Apache Hadoopを使用したクラウドの導入，運用，セキュリティ，データガバナンス，ユーザエクスペリエンスといった一連の機能を提供する，企業向け製品のシリーズも発表している。提供される機能は次のようなものだ。
- 自動化されたクラウドプロビジョニングと柔軟なスケーリング
- 自動化されたローリングアップデート
- Ambari 2.0によるヘルスアラートとメトリックの集中管理
- 仮想クエリパフォーマンス解析ツール: Ambari 2.0では，HiveおよびTezアプリケーションのパフォーマンス解析とチューニングを視覚的に行うための，新たなユーザビューが導入されている。
- Apache Sparkの統合: Apache Spark 1.2.1がHDP v.2.2に含まれるようになった。Sparkアプリケーションをオンプレミスあるいはクラウドにデプロイするためのプラットフォームを，アプリケーション開発者に提供する。
- データガバナンスのためのApache新プロジェクト提案; 提案中のプロジェクトはApache Atlasと呼ばれ，セキュリティおよびポリシエンジンとの組み合わせで，データの分類，集中型の監査，検索，系統化などの機能提供を目的とする。
関連するニュースとして，Hortonworksは先日，HadoopデプロイメントツールのオープンソースプロバイダであるSequenceIQの買収に関する最終契約に署名した。SequenceIQは，クラウド(Microsoft Azure，Amazon Web Service，Google Cloud Platform，およびOpenStack)上，あるいはDockerコンテナをサポートする任意の環境に対して，オンデマンドHadoopクラスタをローンチするために使用することができる。さらに，ポリシベースの自動スケールアプローチを使用して，実際の使用状況のメトリックをベースにクラスタの拡張および縮小を実行することにより，デプロイメントの最適化を実施する。
買収処理の完了後，Hortonworksは，SequenceIQの技術をHDPに取り入れた上で，Apache Software Foundationにその技術を移行する予定だ。SequenceIQの製品であるCloudbreakとPeriscopeの最新機能に興味があるならば，Hortonworksが5月19日に実施するウェビナで，買収の詳細が説明される予定だ。