Azul Systems は、OpenJDK ベースでオープンソースの Embedded JDK である Zulu Embedded をリリースした。Zulu Embedded はモバイルや IoT デバイス向けに組み込み Java 製品を保有している企業をターゲットにしている。ルータ、スイッチ、ATM 機器、アビオニクス、カーエレクトロニクス(automotive electronics)、Point of Sale (POS) システムが例として挙げられる。
Zulu Embedded は 100% オープンソースでカスタマイズ可能な Java SE 製品であり、Java 6, 7, 8 に適合している。Azul によれば、二百万以上のデバイスが Zulu Embedded を利用しているとのことだ。特定のオペレーティングシステム、32/64-bit アーキテクチャ、Java の各バージョン、多数のディストリビューションやパッケージ向けに Zulu Embedded はカスタマイズ可能だ。これらの Zulu ビルドは Java プラットフォーム向けの TCK を利用して検証される。
従来、組み込みデバイス製造業の OEM は組み込み Java ランタイムが必要な際、Oracle に対して費用を支払う必要があった。Zulu Embedded では最新バグフィックスやセキュリティパッチを伴う Azul の長期サポート(10年)を利用可能だ。Zulu Embedded はオープンソースであるため、Oracle に比べてライセンスコストがはるかに少ない。デバイス毎、ユーザ毎の定額制料金と特定顧客向けの価格モデルが存在する。
451 Research Mobility チームの VP である Brian Partridge 氏は以下のように述べている。
今日における組み込みコンピューティングと M2M アプリケーションのマーケットは、断片化と高コスト化が引き起こされている。ある産業における次のステップは拡張性のある IoT ビジョンを現実化することであり、オープンソース技術で構築された開発環境は、柔軟性、経済性、時間の点からマーケットに対してニーズにマッチした一連のユースケースを提供できる潜在性を持っている。IoT と強固な Java SE 実装が必要とされる組み込みのマーケットに対して、Zulu Embedded は純粋なオープンソースソリューションを提供する。
Zulu Embedded は多様なオペレーティングシステム、ハードウェアプラットフォーム、Java 6/7/8 上ですぐさま利用可能だ。Zulu Embedded について更に学んだり、サポートプランの価格を要求する場合は www.azulsystems.com/products/zulu-embeddedで対応可能だ。Zulu の保証されたビルドである Azul の OpenJDK ビルドは free downloads で取得できる。Azul は apt-get/yum で repos.azulsystems.com リポジトリから取得可能であり、Microsoft Azure Cloud や Docker Hub からも利用可能だ。
Azul のディストリビュータであるZulu Commercial Compatibility Kit (CCK) は OpenJDK とソース非公開の Oracle JDK との互換性の差異を少なくするために設計されている。OpenJDK にはない追加機能を伴っており、CCK は無料で利用可能であり、Zulu に対して自身の更新を容易に追加することができる。