LispWorks 7.0には,AndroidおよびiOSプラットフォーム用の新しいランタイムシステムが追加されている。ネイティブなモバイルアプリ用に,UIを持たないライブラリの開発が可能になる。
この新しいLispWorks runtimes for iOS and Androidは,LispWorksのアドオンとして動作する。これはつまり,LispWorksを使って開発したコードを元に,サポート対象のプラットフォーム上でLispWorks for Mobile Runtimeを実行することにより,AndroidやiOSアプリに統合可能なライブラリを生成できる,ということだ。LispWorks for iOS RuntimeはOS X上でなければ動作しないが,LispWorks for Android Runtimeの方は,ARM Linux以外にも,ARMシミュレータを提供するLinuxシステムや,さらにはOS X上でも動作する。
LispWorks for Mobile Runtimeでは,ネイティブのルック・アンド・フィールを提供するGUIツールキットであるCommon Application Programmer’s Interfaceや,ListWorks IDEなど,いくつかのLispWorks機能がサポートされていない。また,現時点で生成できるライブラリは32bitに限られている。ListWorksでは64bitサポート追加に取り組んでいるとしているが,現状ではiOS App Storeへの提出には適さない。
LispWorksは,ANSI Common Lispプログラム言語のための,ネイティブコンパイラとIDEを含んだ,完全な開発環境である。ANSI Common Listpのサポートに加えて,Common List Object Systemを実装し,Metaobjectプロトコルをサポートする。公開版はMicrosoft WindowsやOS X,Linuxなど,主なオペレーティングシステムで使用可能だ。
LispWorks 7は,ListWorksの最新リリースである。LispWorks Mobile Runtimeに加えて,32bit ARMと32/64bit PowerPC/AIXのサポート,Unicodeの改善,コードカバレッジツールなども備えている。