WSO2Con EU 2015でWSO2がAPI CloudとApp Cloudを発表した。それぞれAPIとエンタープライズアプリケーションのライフサイクル全般を管理する,いずれも完全なソリューションだ。
API CloudはWSO2のAPIマネージャである。クラウド上で稼働し,APIの生成と開発者への配布,管理を行うためのツールを提供する。WSO2 API Cloudは以下のコンポーネントで構成される。
- API Publisher – APIおよび関連するすべてのもの - 使用可能なHTTPメソッド,バージョニング,ドキュメント,キーなどを生成するオンラインツール。
- API Store – Publisherで生成したAPIはここで公開され,APIのサブスクライブ,テスト,学習,評価,コメント,ソーシャルネットワークへの公開や関連フォーラムへの参加が可能になる。
- API Gateway – APIユーザはプロバイダに直接アクセスすることはできない。すべてのAPIコールはAPI操作を管理,セキュリティ確保,スケール,調整するこのゲートウェイを経由する。
- API Analytics – サブスクリプションや利用状況,パフォーマンスレベルを視覚化するダッシュボードなど。
WSO2 API Cloudには5段階のサブスクリプションレベルとSLAがある。
WSO2は同時にApp Cloudも発表している。エンタープライズアプリケーションを,そのライフサイクル - 公開,ポリシ管理,デプロイメント,ロースベースのセキュアなアクセス,パフォーマンス調整,解析など - を通じて管理するソリューションである。App Factoryをベースに,API Cloudと同じようなコンポーネントを通じて,概ね同じ機能を提供するが,対象がアプリケーションである点が異なる。WebやSaaSに加えて,iOS,Android,Windowsで動作するアプリケーションが対象だ。
App Publisherは,開発者のアプリケーションをテスタや企業内ユーザ,あるいは一般向けに公開するためのものだ。App Storeではプロバイダとユーザが,開発後のアプリの検索やテスト,購読を行うことができる。App GatewayはWebアプリケーションへのコールに介在して,セキュリティやポリシ,負荷調整を行う。
App Cloudには,いくつかのツールも統合されている。イシュートラッカ,Gitリポジトリ,ブラウザIDE,JenkinsによるCIとCD,Javaランタイム,MySQL,チームコラボレーションツール,ロギングなどが使用可能だ。
API CloudとApp Cloudは,いずれもオープンソースソリューションとして提供される。