先日リリースされたXamarin.Studio 5.9には,C#6サポートやSketchの改良,デバッガの新しいビジュアライザなど,数多くの機能が加えられている。
C# 6サポート
C# 6はVisual Studio 2015で公式リリースされる予定で,Community Editionとしてのみ利用可能だ。それにも関わらずXamarin.Studioは,すでに次のようなC# 6の新機能をサポートする。
-
?
null条件演算子。name?.Substring(' ');
のように,省略可能な変数に対して安全にアクセスすることができる。 -
文字列補間。例:
string.Format ($"{fname} {lname}");
-
単一メソッド式を対象とするラムダ矢印演算子。プロパティやメソッドをひとつの式で定義することが可能になる。
public string Fullname => string.Format ("{0} {1}", fname, lname); public override string ToString() => string.Format("{0}, {1}", lname, fname)
C# 6の新機能については,InfoQで以前にも取り上げている。
新しいプロジェクトダイアログ
プロジェクトダイアログが再設計されて,希望するテンプレートの選択が簡単になるとともに,プラットフォーム固有のオプション操作の操作性も向上している。また,新しいWatchKitウィザードによって,WatchKitエクステンションの親プロジェクトの選択や,GlanceあるいはNotificationのサポートの有無の指定が容易になった。
デバッグ・エクスペリエンスの改善
Xamarin.Studio 5.9に付属する新しいC#デバッガには,文字列やポイント,サイズ,矩形,色,マップロケーション,イメージなどのタイプを対象とした,新しいデータインスペクタが加えられている。さらに,マウスを移動するだけでインスペクタが表示される新しい"eye"ツールによって,変数のインスペクトがこれまで以上に簡単になった。
その他にもXamarin.Studio 5.9では,生成されたデータのライブ表示が可能なライブコーディング環境のSketchesや,Storyboard用ビジュアルデザイナのiOS Designerツールにも,数多くの改良が加えられている。