MicrosoftはIoTのための2つのコミュニケーション技術、AllJoynとThreadをくっつけようとしている。
MicrosoftがThread Groupに参加した。この組織は、ThreadというホームデバイスをつなげるためのIPベースの無線ネットワーキングプロトコルを構築するアライアンスだ。ThreadはもともとARM、Nest、Samsung、Yaleなどによって開発され、デバイスにIoTのパワーをもたらすことに関心のある100以上のメーカーが賛同している。
ThreadはOSIモデルにおけるコミュニケーション層で、デバイスがセキュアな方法で発見と接続できる、弾力性のあるメッシュネットワーク技術を提供する。Threadは250以上のデバイスを単一障害点なしに、単三電池で何年も動かせるくらい低消費電力で接続することを狙っている。Threadは802.15.4無線上で動作するが、IPv6の使用によりデータパケットはWiFiネットワークやInternet上に伝送される。Thread Groupによると「すでに市場に何百万個もある既存の802.15.4無線デバイスは、ソフトウェアの追加だけでThreadを動かせます。新しいハードウェアは必要ありません」という。
IEEE 802.15.4は無線PANの物理層を標準化しており、短距離通信(10メートル)と250 kb/sまでの転送レートを可能にする。これはシンプルであること、製造コストが低いこと、消費電力が非常に小さいことを狙っており、IoTデバイスにはぴったりだ。
Thread上では複数のプロトコルを動かすことができる。そのひとつがAllJoynだ。AllJoynは、メーカーに関係なく、さまざまなデバイス間の発見と通信を可能にするためのアプリケーションフレームワークだ。AllJoynはOSIモデルの上位層を構成するものであり、WiFi、Ethernet、電力線やシリアルを含む複数のプロトコル上で動かせる。現在、C++、Objective-C、Javaのためのライブラリが利用可能になっており、Android、Arduino、iOS、Linux、Mac OS、Windowsなど複数のOSで動いている。認証と暗号化もサポートしている。
MicrosoftはすでにAllJoynを監督している組織、AllSeen Allianceの一員であり、Windows 10にAllJoynのサポートを追加している。BUILD 2015では、AllJoynを使ったUniversal Windows Appの構築をデモしている。
MicrosoftがThread Groupに参加したのは、Thread上でAllJoynを動かすためだ。この2つの通信チャネルは相互に補完すると見られ、「IoTデバイスの世界を広げるため、相互接続可能なセキュアでロバストなコミュニケーション」をもたらすだろう。