Amazonは,AndroidとFire OSのエコシステムをターゲットとした,モバイルテストファームのAWS Device Farmを新たに導入する。Amazonによれば,200を越えて拡張を続けるユニークな環境のコレクションと,主要な自動テストフレームワークおよびCIシステムとのインテグレーションを提供するサービスだ。
AWS Device Farmでは,テスト対象デバイスが選択可能であることに加えて,ファイルのアップロードや追加アプリのインストール,ネットワーク機能の設定,ロケーションなど,テスト対象デバイスの状態をコントロールすることができる。テストを実行すると,問題点の識別に有用な,次のような情報が提供される。
- スクリーンショット
- CPUとメモリの使用率,およびスレッド数
- 出力ファイル
また,AppiumやCalabash,uiautomaorといった,一般的な自動テストフレームワークとの統合もサポートする。さらにJUnitやRobotium,あるいはEspressoを使った機器テストも可能だ。
テスト実行に必要なすべてのステップは,Device Farm APIを使って自動化することができる。プロジェクトやデバイスプールの生成を始めとして,ファイルのアップロード,テストの実行あるいはスケジュール,事後の全関連情報の収集などが可能だ。現時点ではJenkinsとの統合のみが可能だが,それ以外のCIシステム用のプラグインも現在開発中である。
AmazonはDevice Farmユーザに対して,使用したデバイス数とテスト時間によって決定される“デバイス時間”を基準とした課金を行う。定額料金プランも提供される予定だ。
ExperitestのマーケティングマネージャであるDavid Fink氏は,クラウドテストを“テストカバレッジ拡大とテスト時間短縮の上での大きな飛躍”だと位置付ける。ひとりの開発者によってテスト可能なデバイスやOSの数を増大させることで,“手動および自動テストの規模を拡大する”からだ。
AWS Device Farmは,最近数年間に登場したTestdroidやAppurify, Experitextといったプレーヤによって,すでに混雑の様相を呈しているマーケットへの新規参入者である。Googleは,アプリのテストに自身のデバイスファームを使用することで知られているが,Amazonは公開サービスを持ってテストクラウド市場に登場したビッグプレイヤだ。