Basho Data Platformは，RedisなどNoSQLデータベースとインメモリ分析，キャッシュ，検索といった機能の統合をサポートする。Riak NoSQLデータベースの提供企業であるBasho Technologiesは5月，ビッグデータやIoT，ハイブリッドクラウドアプリのデプロイと管理の可能なデータプラットフォームの提供を発表した。このプラットフォームでは，分散NoSQLデータベースのRiak KV(旧Riak)Riak S2(旧Riak CS)に，インメモリ分析のApache Spark，パフォーマンスを向上するRedisキャッシュ，クエリ機能を提供するApache Solrを統合する。
Basho Data Platformのサービスは，Core Services，Storage Instances，Service Instanvesという３つのカテゴリに分類される。プラットフォームの目的は，データベースのスケーラビリティやマルチモデルのサポート，RedisやApache Solrなど補完的技術との統合，などを必要とする企業のために，そのオペレーションを簡略化することだ。キャッシュとインメモリ分析機能は，運用中のワークロードのデータ処理において有効である。
Basho Data Platformの詳細な機能は次のとおりだ。
リアルタイム・インメモリ分析: Apache Sparkコネクタによるリアルタイムのインメモリデータ分析が可能。データの高可用性，クラスタ同期，Sparkクラスタ管理をZookeeperなしで実現する。Sparkコネクタは，Apache SparkとRiak KVデータベース間で，バッチおよびリアルタイム分析用のデータを自動的に同期する。
キャッシュ統合: Redisキャッシュの統合によって向上した読み込みパフォーマンスを利用して，Riak KVからRedisキャッシュへのレプリケーションと同期を行う。Basho Data Platformの管理するRedisサービスは，現在のビッグデータアプリケーションに必要な，手作業によるコーディングを簡略化する。クラスタ管理や高可用性，データの自動シャーディングといった機能も組込みで利用可能だ。
検索: Apache Solrアドオンコンポーネントによって，Riakの分散データベース上でSolrの全文検索機能のメリットを享受できる。データが更新されると，検索インデックスが自動的に同期される(透過的インデックス)とともに，検索機能の統合により，Apache Solrを使用したRiak KVデータセットの検索が容易にできる。SolrのクライアントクエリAPIもサポートされるので，既存のソフトウェアソリューションを統合することも可能である。
オーケストレーションサービスによる運用: Basho Data Platformクラスタ管理により，Riak KVやApache Spark，Redisなどのインスタンスのダウンロードやデプロイメントが可能だ。インスタンス障害の自動検出と自動再起動により，オペレーションの最適化と高可用性を実現する。さらに，コンフィギュレーション情報やネーミングの管理，分散型同期をSparkに提供することで，Zookeeperの必要性を排除する。Redisでは，複数のキャッシュサーバを対象としたデータの自動シャーディングが可能で，手作業でのシャーディング実施に伴う時間やエラーの削減を実現している。
データのレプリケーションと同期: これら分散アプリケーションのコンポーネント間でのデータのレプリケーションと同期をコントロールし，キーバリューあるいはオブジェクトストレージといった複数のデータベースモデルをサポートする。データとインデックスとレプリケーションと同期によって，RedisあるいはSparkのインスタンスが，ネットワークやシステムのエラーといった接続障害で利用不能になった場合のデータ損失を防止し，データへのアクセスとデータの正確性を保証する。さらにSolrとRiak KVのインデックスの自動同期や，Riak KVとRedisキャッシュ間のデータのレプリケーションと同期といった機能も含まれる。